今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
擬態を楽しむ
今週のかに座は、見られてはいけない宇宙人性を秘匿するための適度な仮面をかぶっていくような星回り。
「普通の人」の擬態のごとし。
地球に何らかの目的を持ってやってきた宇宙人が、地球人に化けるために「普通の人」らしい振る舞いを学んで巧みに化けているというのはもはや使い古された設定ですが、だからこそさまざまなバリエーションがあって今でも案外有効な手法だったりします。
あなたもまた、いかに目立つかよりも、いかに大衆に紛れ込んでいけるかということがテーマとなっていくでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
身悶え番長
今週のしし座は、血の通ったコミュニケーションへと周囲を巻き込んでいこうとするような星回り。
『梨を落とすよ見たいなら見てもいいけど』(外山一機)という句のごとし。
「梨が落ちる」であれば単なる情景描写ですが、それをあえて「梨を落とすよ」と書いているのは、そもそも作者が「意志の働きによる作為によらず、おのずからできた俳句をよしとする」といった、伝統的によしとされてきた俳句観みたいなものを疑っているからではないでしょうか。
あなたもまた、みずから力みをほどいたところへ降りていくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
根本としての食と性
今週のおとめ座は、幸福の実感は口腹から、そして自然からやってくるということを実感していこうとするような星回り。
かつて中世スイスにあったベネディクト派の僧院長・エッケハルト四世(998年頃~1060年頃)が遺した『食卓譚』を読むと、彼らが宮廷の貴族たちを含め、同時代のどの階級の人びとよりも豪華な飲食の楽しみを漫喫していたことが分かります。
ベネディクト派と言えば、ヨーロッパ全土にカトリックを広めた僧派だった訳ですが、その実質的な原動力となったのはこうした生活の豊かさや喜びだったのかも知れません。
あなたもまた、どうしたら自分を喜ばせられるのかを徹底して考え、実行していくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
青き葉と窓の赤
今週のてんびん座は、突き抜けた領域までクールダウンさせていこうとするような星回り。
『青き葉も落ちくる不思議月のあと』(宇佐美魚目)という句のごとし。真っ暗な空から、どこからか1枚の青い木の葉が舞い落ちてきて、見えない月から舞い落ちてきたのだろうかと不思議がっているというのです。
なぜそう思ったのかと言えば、実際に目にした木の葉が「青」かったから。闇の底でじっと息をこらしていられたからこそ、ただの葉っぱがさながら発光魚のように青白く光って見えたわけで、それは言わばきわめて精神の研ぎ澄まされた状態にあるのだと言えます。
あなたもまた、最高にひんやりとした精神の領域へ自身を鎮めていくことがテーマとなっていくでしょう。