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[SHELLYさん]離婚後に「恋愛しよう!」と思えるようになったきっかけは?

エンタメ
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2度の出産、その後離婚を経験し、事実婚と第3子の妊娠を発表したシェリーさん。今回は、離婚後に自分を取り戻して、恋愛したいと思えるようになるまでに至った経緯や、女性の自立について熱く語ってくれました。(前編はこちら)

前編はこちら
第3子妊娠中SHELLYさん『産んだ瞬間から“母”になるわけじゃない』

離婚後も「ママ」じゃないひとりの時間を持つことの大切さ

——誌面のインタビューで「離婚後に自分の判断力に自信がなくなった」と答えていらっしゃいましたが、どうやって自信を取り戻していきましたか?

連載でも話したことがありますが、カウンセリングはとても大きかったと思います。夫婦カウンセリングをきっかけに、離婚をした後もカウンセリングに通って「私ってどんな人なんだろうか。何を求めているんだろうか。何が好きで、何が嫌いで、どういう時間を大事にしたいんだろうか」って、30歳を過ぎて、初めて真剣に考えるようになりました。その時間が持てたことはとてもよかったと思います。子どもができると、つい子ども優先で、自分がどうしたいかではなく、世間体を気にして良い母親像を勝手に作り上げて、自分を縛ってしまったりしがちですよね。でも本当の自分に向き合うことってとても大切だと気付きました。
幸いうちの場合は、元夫との関係が上手く築けたことで、子どもたちが元夫のところに泊まりに行く日などもあり、ひとりの時間が持てて、本来の自分に戻っていけた気がします。そのおかげで、恋愛しよう!と思うこともできたし、「次の恋愛は年齢に焦らず、子どものためのお父さん探しでもなく、ただフラットにその人が好きかどうか、その人と居たいかどうかだけで決めよう!」と思えました。すごく恵まれていたと思います。

——本質的なところに戻ったのですね。それがSHELLYさんにとって大切なことだったと。

そうだと思います。ラッキーなことに私は大好きな仕事に出会えて、その収入があったおかげで、子どもたちにも不安な思いをさせずにシングルマザー生活を送ることができました。頼れる家族もいたし、信頼できるシッターさんも見つかった。だけどこれってめちゃめちゃ稀なケースだということもわかっています。
離婚をきっかけに、仕事を通じてシングルマザーの実情を知る機会をいただいたり、いろんな団体の方にお話を聞くこともできましたが、現状はとても厳しい。シングルマザーやその子どもの貧困問題は山積していて。社会保障や養育費をあてにして離婚してしまった結果、思うようにいかないことも。だからこそ、自由に自分らしく生きるためにはそこに頼らない経済力を女性もつけて、そのためには社会が変わらないといけないとあらためて思いました。

認識の違いをパートナーと話し合った「女性の産後復帰問題」

——30代や40代で出産や育児をきっかけに一度仕事を辞めてしまうと、そこからまたキャリアを築くのってハードルが高いという声をよく聞きます。

そうなんです!今のパートナーと付き合いだしてまだ間もない頃、「ガラスの天井」について話し合ったことが今でも忘れられません。(※「ガラスの天井」とは女性がキャリアアップを目指していくとき、それを阻む組織や社会の構造が、その先へ進めなくさせてしまっていることを指す表現)
彼はカメラマンなのですが「出産して現場復帰している人いる?」と聞いたら、「周りにはひとりもいない」と言ったんです。彼は「女性も子育てにシフトしたいからデスクワークを選ぶんじゃないの?」と言っていて。「そんなわけない!今までずっと頑張ってキャリアを積んできた人が、やりたくなくなることなんてないよ。みんな戻りたくても現実問題できないんだよ」ってヒートアップしちゃいました。

——これは意見が分かれそうですね。女性も妊娠中や出産直後は、仕事より育児を優先したいと思う時期もあったりしますよね。

そうですよね。だからそれが悪いことだとはまったく思っていなくて。だけどもし出産後に復帰したいと思ったときに職場に戻れる場所がなかったら遠慮しちゃう人もいると思うんです。私個人の事情なんで…とか、周りに迷惑かけてしまうかもしれないから…とか。でも子育てって個人の事情じゃないですよね。社会の問題です。社会や職場が改善しなきゃいけない問題なのに女性が抱えこんでしまって、それによって収入も減り、キャリアも途絶えることになって、いざ離婚したいと思ってもそれも選択できないなんて辛すぎる。女性が怠けているわけでもなんでもなくて、その構造になってしまっていることが問題だと私は思うんです。

——パートナーさんはそれを聞いてどんな反応でしたか?

その日はお互いしこりの残ったまま話が終わったのですが、数日後に彼に会ったとき「こないだの話なんだけど」って彼からその話題を持ちかけてくれて。「あの後考えたんだけど、現場復帰してる人がひとりもいないのは、そういうものなんだって思い込んでいたけど、確かにそうじゃないのかもしれない」って言ってきてくれて。それを聞いて私、感動したんです。
自分と違う相手の意見を「そんなわけない」と決めつけずに一度持ち帰って考えて、自分の意見を見直そうとしてくれたこと。そして気まずい会話を気まずいままにせずに、お互いがスッキリするまで話してくれたこと。ちゃんと対話のできる人だなって嬉しかったですね。

——女性の自立にはもっと経済力が必要と個人的にも痛感しています。

今、安定しないパートナーシップの中にいる人に対して背中を押したい気持ちはあります。「そんなに無理して続ける必要ないよ!我慢する必要ないよ!」って。でもその先の厳しい現実を実際に見聞きしているので、気軽に「大丈夫だよ!」とは言えない。だけどそれは個人や能力の問題じゃないと思います。まだまだ今の日本の社会は、男女格差とか、収入格差がいっぱいあるし、社会問題が絡んでいるから、「頑張って稼ごう!自立しよう!」で解決できる問題じゃない。だからといってすべてを諦めないで、少しでも自立していける方法を見つけるための背中は押したいし、これから応援していきたいと思っています。私も良いパートナーシップが築けたあとも依存的な関係性になっていくのではなく、お互いが自立してどちらかが倒れたときにも支え合えるような関係性でいたいと、仕事へのモチベーションも上がっているところです!

取材・文/渡邊里衛 撮影/倉本侑磨<Pygmy Company>

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