最近ではコスメのセレクトショップでも見かけるほど、美容を意識する女性にとって身近な存在となったプロテイン。ボディメイク、ダイエット、美肌やアンチエイジング……と、目的は人それぞれですが、ただ闇雲に飲むだけでは効果が得にくいかも?今回は管理栄養士の麻生れいみさんに、筋トレ・ダイエット・美容という目的別に、プロテインの基本的な「効果」と「飲むタイミング」を聞きました。
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1:プロテインを飲むことで期待できる、40代50代女性にうれしい効果とは?
プロテインの語源は、「第一となるもの」という意味のギリシャ語「proteios」。人間の体を作り、生命活動を維持するためにもっとも重要な栄養素がプロテイン=たんぱく質なのです。しかし、50歳前後から、たんぱく質の消化吸収率は低下。たんぱく質を栄養源として使う機能も低下してくるので要注意。市販のプロテインでたんぱく質を効率よく補えば、40~50代の女性にうれしい効果も期待できますよ。
教えてくれたのは……管理栄養士・麻生れいみさん
東京医療保健大学大学院に在籍、医療栄養学研究に勤しむ。全国アスリート臨床栄養協会理事、日本健康食栄協会代表。あとりえASO主宰。著書に『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)ほか多数。
Q:ボディメイクのために【筋トレやエクササイズ】をする場合、プロテインを飲んだほうが効果を得やすい?
A:美ボディを目指すなら運動とプロテイン補給はセットで考えて!
写真/PIXTA
筋肉は、(運動などにより)筋繊維が壊れる→(たんぱく質などの栄養&休息により)修復する、というサイクルを繰り返すことで維持・成長します。運動・栄養補給・休息のいずれかひとつでも欠けると筋肉は増えないし、疲労回復にも時間がかかり、逆に健康を害したり、せっかく始めた筋トレやエクササイズもすぐに挫折……となりかねません。
運動でメリハリボディを手に入れるためにも、その運動を続けるためにも、たんぱく質は必須。たんぱく質は意識して摂らないと不足しやすいので、市販のプロテインを上手に取り入れるとよいでしょう。
ちなみに、1日に必要なたんぱく質量の目安は、体重1kgあたり1g(体重60kgなら、1日60g)。運動習慣のある人は、1.2~2gのたんぱく質量を摂ることが推奨されています。
Q:【ダイエット目的】の人にもプロテインは有効ですか?
A:やせたい人こそ余分な糖質や脂質が少ないプロテインの有効活用を
ダイエットのために糖質を制限している人は多いと思いますが、単にご飯やパン、麺などを抜く・減らすだけでは栄養不足になり、筋肉量が減って代謝がダウン。痩せにくい体になってしまいます。減らした糖質の代わりに、たんぱく質をプラスして筋肉量をできるだけキープし、筋肉よりも体脂肪が減っていくサイクルをつくりましょう。
たんぱく質は本来、肉、魚、卵、大豆製品といったリアルフードで摂るのがベターですが、種類、部位、調理法、食べる量によってはカロリー過多になることも。その点、プロテインなら余分な脂質や糖質を摂る心配がありません。体重がある人=たんぱく質の必要摂取量が多い人にも便利です。
ただし、プロテインも摂りすぎれば余剰カロリーとなり体脂肪の増加につながりますし、腸内環境が乱れる要因となることも。一度に吸収できるたんぱく質の量は20~25gなので、ほかの食事とのバランスも考えながら、適量を飲むようにしましょう。
Q:【美容やアンチエイジング目的】でプロテインを飲むのもアリですか?
A:美の材料はたんぱく質。美容サプリメントとして飲むのもOK!
加齢とともに質の低下が気になってくる肌、髪、爪の材料は、たんぱく質。肌にハリや弾力をもたらすコラーゲンもたんぱく質からできているということは、40代50代のみなさんならご存知ですよね。このほか、感情や記憶、睡眠などに関わるホルモンも、カルシウムでできていると思われがちな骨も、たんぱく質がなくては作られません。
たんぱく質が不足すると、こうした「美」を左右する細胞のターンオーバーが滞ったり、うまく機能しなくなったりして老化のスピードに拍車がかかります。毎日の食事+プロテインで、しっかり補うようにしましょう。
ほとんどのプロテインには、たんぱく質の代謝に関わるビタミンB群やビタミンC、不足しがちなミネラルなどが含まれているので、量にもよりますが美容サプリメント感覚で飲むのもアリ。例えば大豆由来のソイプロテインは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするイソフラボンを含み、更年期症状や骨粗しょう症の予防や、髪や肌のハリ、ツヤUPなどが期待できます。
2:プロテインを飲むベストなタイミング、飲み方の注意点は?
基本的なプロテインの飲み方から、筋トレ・ダイエット・美容という目的別に、一番効果が高まる飲み方、飲むタイミング、そして適したプロテインの種類まで紹介します。