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“それは違いますよ”はNG しいたけ.さん流気持ちが伝わる会話術

独特の間合いと言葉の柔らかさで多くの人の心を掴んでいるしいたけ.さん。気持ちを正確に伝えるために、見習いたいコツから、SNSでの心構えまで教えていただきました!

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自分のエゴを押し付けない。

否定、命令、説教はエゴの押し付け。そこに相手を思う心がなければ伝わらない。

「会話って、絶対的な正解もなければ不正解もない。だからそこで“それは違いますよ”って否定してしまうと、どっちが正しいか合戦になってしまうんですよね。あと、これは偏見かもしれませんが、“ちゃんとしなよ”みたいな説教や命令って、言っている自分が気持ちいいだけなんじゃないかと思うことがあります。おもしろいことに、自分がつらいと思いながら言っている時って相手にも伝わるんですけど、“だからダメなんだよ”という、いわゆるマウンティング的な説教って、全然伝わらなかったりするんですよね。アーティストを見ていても思うのですが、伝わる歌を歌うプロの方って、エゴを押し付けるのではなく、そこにいる人が疲れてないかとか、聞き手のことを常に気にかけているような気がします」

心と一致する言葉を使う。

言葉と心は繋がっているもの。だからこそ、心にもない言葉は相手にも届かない。

「例えば、僕のところに占いに来て、“今、充実しています”“仕事楽しいです”と、ポジティブな言葉を使っているのに、そこにまったく表情が伴っていないという方が、結構たくさんいらっしゃいます。でも、緊張感や幸福感って、話をしている相手にも伝染するもの。なので、その人が心から“楽しいです”って言っている時は、聞いているこっちも楽しい気分になったりするんです。仕事とかは、楽しくない部分があってももちろんいいわけで、そういう時に無理して心と正反対の言葉を使うのではなく「今ちょっと仕事がつらいんですよね」と、弱音でもいいから自分の心と一致する言葉を使ってみてください。そうすることで、本当の思いが伝わりやすくなるのはもちろん、自分自身を救済することもできると思うんです」

物語を紡ぐ言葉を使う。

しいたけ.さんの文章の中にも度々登場する例え話。それこそが、物語を紡ぐ言葉。

「例えば、『自己肯定感の低さとは何か』を説明する時、専門的な言葉を使えばいくらでも説明できると思うんですけど、それって、読んでいて飽きてくるんですよね。どこかで聞いたことある話だし、自分とはまるで繋がらない。でも、“親友にはなんでも話せるけど、そこに親友の友達が入ってくるとまったく喋れなくなってしまうような感覚”というと、“わかります!”と言ってもらいやすくなる。相手に共感してもらえたほうが書き手としても楽しいし、そこにそういうストーリーがないと、わかるやつだけついてこい! みたいな、ちょっとしたマウンティングになるような気がして。その例え話が、夜中の2時にラーメンを食べる罪悪感くらい、誰でも共感できる日常レベルの話であると、より伝わりやすくなると思います」

しいたけ.さん 占い師。毎週月曜更新の「WEEKLY! しいたけ占い」で注目を集める。著書に『しいたけ.の部屋 ドアの外から幸せな予感を呼び込もう』(KADOKAWA)、『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)がある。

※『anan』2019年2月13日号より。イラスト・100%ORANGE 取材、文・菅野綾子

(by anan編集部)

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