30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答! 今回は不妊治療中のイライラについて聞きました。
Q:不妊治療中は女性のイライラが爆発するって本当ですか?
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30代&40代女性の「リアルな妊活・不妊治療悩み&疑問」!
・「PMSがひどすぎて、生理前は職場でもイライラ、プライベートでは彼の前で怒りを爆発させてしまいます。生理前の時期になるたび、彼を責めてしまったり、別れ話を切り出したり……。結婚したら不妊治療に挑戦したいのですが、PMSがひどい私はどうなってしまうのでしょうか……」
・「30歳くらいから、月経前症候群で生理前は別人に。カッとなって怒り狂います。あとは2週間ぐらい眠くてたまらないという症状も。生理直前にはチョコレートをバリバリ食べたくなり、些細なことにイライラして号泣。けれど生理が来た瞬間、すべてがどうでもよくなり、にこやかな自分に。毎月なので、あぁ今月もホルモンバランスに左右されているな……と俯瞰的に見られるほどですが、それでも苦しいです。不妊治療では飲み薬や注射でホルモンバランスを変えると知り、この症状がひどくなるのでは?と不安です」
医師が回答!
【ANSWER】ホルモンバランスのほか、不条理さにイライラする方が多い
「月経前になると気分がすぐれない等の症状が出るPMSは、排卵後に分泌される黄体ホルモンの作用によって起こるもの。不妊治療では、このPMSでイライラの原因となるホルモンと同じものを補充するケースが多く、似たようなイライラを感じやすくなります。
採卵で卵をたくさん採るために黄体ホルモンを補充すると、排卵後に黄体ホルモンが通常の月経前よりも増え、さらに気分の変調を感じやすくなるのです。
また、ホルモンバランスとは関係なしに、治療の不条理さにイライラしてしまう女性も多いように感じています。不妊治療では、『今回の周期で絶対妊娠する!』と精一杯頑張ったとしても、必ずしも結果に結びつくわけではありません。私も不妊治療を経て出産をしたので経験しましたが、期待をして結果が思い通りにならないと、傷つくこともあるように思います。
冷静に治療を進められる方はいいと思うのですが、ご自分で思う以上に感情的になってしまう方も。ですから、『ここまで進んでダメだったら体外受精はやめる』など、終わりをはっきり決めてから治療をスタートさせるのも一案。現在は保険診療が始まりましたので、女性の年齢によって定められた補助可能回数を目安に、チャレンジする回数を決めておくのもよいでしょう」
誰しもイライラするという事実を知っておくだけでも、少し気持ちがラクになりそうですね。
取材・文/櫻木えみ