■ ティソ「シュマン・デ・トゥレル オートマティック レディ」
ティソ「シュマン・デ・トゥレル オートマティック レディ」T0992071104800 ¥117700
「これまでの3本と明らかに異なるのは“機械式”ということ。電池式のクオーツ時計とは違い、機械式時計は巻き上げたぜんまいを動力源とするもの。これぞ時計の醍醐味、という人もいます。
いっぽうでリモートワークで外に出ない日やコーディネート的に時計をつけない日が続くと、おのずとぜんまいがほどけて止まっていることもありますよね。その点、このティソの時計は最長80時間も連続駆動するので、2日くらい使わなくても止まらないという実用的なメリットが。いちいち針合わせをしなくてもいいので爪も痛みませんし(笑)、メンズライクな表情の中に女性が使いやすい工夫が満載です」(篠田さん)
3)使いやすさにとことんこだわった「日本ブランド」の実力派ウォッチ
そして、最後にご紹介するのは日本ブランドの3本。私たちの生活にもっともなじみが深く、一度は目にし、聞き覚えのある時計が多いものの、意外とその魅力を知らなかったりも……一体どこがどう“いい”のでしょう?
「時計は全般的にステンレススティールという素材が使われています。ほどよく堅く、磨くときれいなので高級感が出しやすい、そして心地よい重みが“いい時計をしている”という高揚感にもつながったりするのですが、日本の時計は“チタン”なんです。このチタンという素材がすばらしくて、まずは圧倒的に軽い。そして素材の特性によって、金属アレルギーをおこしにくい。ステンレススティールのようにツヤッときれいに加工するのが非常に難しい金属なのですが、それを実現して、なおかつ手の届きやすい価格で提供できているというのが、本当にすごいことなんです!」(篠田さん)
そんな独自の加工技術でチタンのさらに上を行く“スーパーチタニウム”を採用しているのがシチズン クロスシー。
■ シチズン 「クロスシー」
シチズン 「クロスシー」daichi collection フローレットダイヤモンドモデルEE1007-67W ¥121000
「もうひとつ特筆すべきはソーラー発電ということ。ぜんまいで動く機械式や電池で動くクオーツ式とは違い、ソーラー(光)で時計を動かし、しかも発電した電気を溜めて暗いところでも動き続ける『エコ・ドライブ』という技術を生み出したのがシチズン。しかもこちらは一度フル充電したら、4年(パワーセーブ作動時)可動し続けるというすぐれもの。
環境汚染の原因にもなると言われる廃棄電池を出すこともなく、さらにはダイヤルに『ラボグロウン・ダイヤモンド』というエシカルなダイヤモンドを使っている点でもエコ。人にやさしく、地球にやさしく、社会にやさしい名品です」(篠田さん)
■ セイコー「ルキア」
セイコー「ルキア」SSQW064 ¥82500
「ゴールドのコーティングがされていますが、こちらも素材は純チタン。
ローマン数字や樽型のトノーケースなど、最初にご紹介したアールデコの時代に生まれたクラシックなデザインを取り入れつつ、モダンなデザインに仕上がっているので、よりアクセサリー感覚で日常使いしやすいかもしれません。
これだけの高級感で8万円台という価格も人気の理由です」(篠田さん)
■ カシオ「オシアナス」
カシオ「オシアナス」OCW-70PJ-7AJF ¥77000
「日本時計ならではの魅力にはもうひとつ、時間の正確性ということもあります。チタン製やソーラー発電と同じく先の2本にも共通しますが、自動で電波をキャッチしてつねに正しい時間に修正してくれる電波時計は、時間に厳格な日本人ならではのうれしい機能のひとつではないでしょうか。
カシオといえば、デジタル時計の“G-SHOCK”が有名ですが、誕生当時“カシオなのに針がある”と話題になったのがこの『オシアナス』。機能性はしっかりとありつつも甘さはひかえめ、男性人気も高い時計なので、パートナーとシェアしたい方などにはとくにおすすめです」(篠田さん)
取材・文/伊藤真知