残高がわずかになっている銀行口座をそのままにしている人もいるのではありませんか? 銀行口座を放置していると、残されたお金はどうなるのでしょうか? 元銀行員の筆者が対処法なども含めてお伝えします。
残高がわずかになっている銀行口座をそのままにしている人もいるのではありませんか? 銀行口座を放置していると、残されたお金はどうなるのでしょうか? 元銀行員の筆者が説明します。
イラスト:のいぷらこ(@pulacopulaco)
口座に放置したお金はどうなるの?
卒業や転勤、引越し等で新しい銀行口座を開設し、それまで使っていた銀行を利用しなくなるということは多いでしょう。そのとき、今まで使っていた銀行口座のお金をすべて引き出していれば問題はないのですが、使わない口座にお金を残したままでは、いずれそのお金は休眠預金となってしまいます。
休眠預金とは、休眠預金等活用法に基づいて決められており、2009年1月1日以降の取引から10年以上、一度も取引のない預金等(休眠預金等)のことです。休眠預金となってしまった場合には、民間公益活動に活用される決まりになっています。
つまり、使わない口座にお金を放置していると、自分のお金が公的なお金に変わってしまうということです。
休眠預金の対象になるもの、ならないもの
預金等にはさまざまな種類があるため、すべての預金が一律、休眠預金になるわけではありません。休眠預金になるもの、ならないものは決まっています。
●休眠預金になり得る預金等にあたるもの
・普通・通常預貯金、定期預貯金
・当座預貯金、別段預貯金
・貯蓄預貯金、定期積金
・相互掛金
・金銭信託(元本補填のもの)
・金融債(保護預りのもの)
●休眠預金になり得る預金等にあたらないもの
・外貨預貯金、譲渡性預貯金
・金融債(保護預りなし)
・2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等
・財形貯蓄
・仕組預貯金
・マル優口座
休眠預金からお金を引き出すにはどうする?
一度、休眠預金となってしまった場合は、通常の預金等のように引き出すことはできません。休眠預金からお金を引き出すときには、まず取引のあった金融機関に問い合わせてみましょう。手続きをするときには、通帳やキャッシュカード、本人確認書類等が必要になります。
なお、通帳等を紛失している場合には、本人確認書類(身分証明書)等があれば対応してもらえますので、あきらめずに問い合わせてみてください。
古い通帳を見つけたら、休眠預金になっているのか確認してみましょう。手続きするには金融機関に申し出ることが必要です。分からないことや準備する書類等、丁寧に教えてくれますので、まずは相談してみましょう
ただし、お金を引き出すまでには時間がかかります。金融機関にもよりますが、少なくても1週間から1カ月程度の時間がかかりますので注意してください。
また、相続等ですでに亡くなった人の口座が発見されて休眠預金になっているときにも、所定の手続きを行えば、お金を引き出すことは可能です。ただし、何十年も前の預金でお金の価値が変わっていたとしても、引き出せるのは額面通りの金額です。
一番大切なことは、自分の預金等を休眠預金にしないことです。もう、使わない口座があるなら、解約しておくようにしましょう。
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