働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、ヨダエリさん。
今回のお話「昇進か、転職か、資格取得か。アラサーが給与アップのためにできることとは?」
給与を上げたいと思った時、転職を考える人も多いでしょう。しかし、アラサーなら昇進の道も見えてきて、昇進を目指すか、転職してしまうかで悩む人も。その他にも資格取得なんて方法もあるなど、給与を上げる方法は意外とたくさんあるのかも? 自分がどの方法を選べば良いか考えてみましょう。
「このままじゃダメだ」。
仕事についてそう思ったとき。今後どうすべきか、すぐに答えが出る人はなかなかいないと思います。今の職場で昇進を目指した方がいいのか、転職すべきなのか、資格を取得するのがいいのか、などなど。
今回は、このテーマにうってつけの多彩な転職経験を持つ友達Kちゃん(言語聴覚士)にインタビューしてみました。葛藤と奮闘を重ねてきた女性ならではの意見が聞けたので、エッセンスをお伝えできればと思います!
周りはキラキラして見えるもの
まずは、Kちゃんの職歴をざっと紹介しましょう。
大学卒業後、大手スーパーに総合職として入社。数年後に退社し、言語聴覚士を目指し大学院へ。資格を取得し、4つの病院を渡り歩いた後、退社し、海外協力隊として2年間ベトナムの病院で働く。帰国後は5つ目の病院に勤務(今ここ)。
……なんというバイタリティ。「いろいろあったのね」と思う人もいれば「なんかすごい」と思う人もいるでしょう。
資格は、言語聴覚士の他にキャリアコンサルタントの国家資格を所有。また、日本語教師の仕事ができる条件もクリアしており、大学では中学・高校の英語と国語の教員免許も取得しています。
そう聞くと、もしかしたら「優秀」「自分には参考にならないかも」と思う人も、中にはいるかもしれません。
が。長年の友人として言えることがあります。それは、彼女が間違いなく不器用なタイプで、常に壁にぶち当たりながら葛藤と試行錯誤を重ねてきたということ! ぶっちゃけ、仕事や職場に関する悩みやボヤキはどれだけ聞いたか分かりません(笑)。
そう。人は、社名や肩書きや数字だけを見て、「なんか華やか」「なんかすごい」「それに比べて自分は……」と自信を失いがち。分かります。私もSNSを見て落ち込むこと、あります。でも、以前お仕事ハックにも書きましたが、実際は皆、周りが思うほどキラキラしてないんですよ!!!!
その人にはその人の悩みがあり、闘いがあります。
だから、すぐさま資格取得や転職や昇進に焦るのではなく、まずは周りと比べるのをやめること。そして、自分は今仕事で何が一番不満で、何を欲しているのか。仕事で一番大事にしていることは何なのか。そこを考えてみるのが大切です。
「とかく、お金とか人間関係とか、目に見えるもので進む先を選ぼうとしがち。でもお金を増やしたいだけなら、今の時代、副業の方が稼げる可能性もあるよね」とKちゃん。
実際、転職や昇進を選んだら、お金は増えたがストレスも増えた……となるケースも。プラマイゼロどころか、マイナス? みたいな。
「給与アップのためにできることは? と考える前に、給与アップによってどうしたいのか、何をしたいのかを考えた方がいい。そこが漠然としたまま転職や昇進をすると、覚悟が足りなくてつぶれる」
……あるあるです。首がもげそうになるほど同意です。
人生の棚卸しをしてみよう
じゃあ、その覚悟はどうやったら生まれるのか。そこは、自分と向き合う。これに尽きると思います。
そこでおすすめなのが、「人生の棚卸し」。
1.素直な感情
2.自分の強みと弱み
この二つを考えて、書き出してみる。1は「○○がガマンできない!」「△△やってみたい」など、心のままに。言語化することで気づくことは多いです。誰かに話を聞いてもらいながらでもOK。
Kちゃんは、この棚卸しを定期的にやっているそう。
彼女の職歴は一見バラバラ。でも。「実は一本の筋があるの。全部サービス業で、ニーズに対して的確に判定していく仕事」。そういえば、最初に就職したスーパーでも紳士服売り場でお客様にネクタイを選んでました!
自分の素直な感情と、強み・弱み。そこに向き合った上での選択なら、転職するも、昇進するも、資格取得を目指すも良し。結局のところ、選択後にどう感じるかは他人ではなく自分。とことん自分と向き合えば、後悔は少なくなるはずです。
環境を変えた結果、どうしてもつらければ辞めたっていい
Kちゃんは転職で後悔したことはあるのでしょうか。大昔、共通の友人も交えた飲み会で、転職一日目のKちゃんが超憂鬱モードだったのを思い出しますが(笑)。
「えっ(笑)? そうだっけ!? 入ってすぐは後悔したかもね。でも今は、『どんな場所にも意味はある』というセオリーを得たから、後悔してないよ。ここでできるベストを尽くせば人生の役に立つと思ってる」。
またもや、首がもげるほど同意。長いこと友達でいられているのは、根っこにある人生観に共通するものがあるからだろうか……と、今回の主旨とは違う部分に感じ入る私。
「もちろん落ち込むことはあるよ。でも意味づけができるようになったし、『辞めたくなったら辞めりゃーいい』とも思ってる(笑)」
そう! 転職して、どうしても無理、つらい、と思ったときは、辞めていいのです。そう思っておくことで、鬱屈を防げたりもします。「いつだって辞めれるんだからねー!」と心で叫びながら目の前の仕事をパキパキ片付ける日々、それもまた愛し、です。