たい焼きにもいろいろあって……。
天然モノに養殖モノ、焼き型によって呼び名が付けられている“たい焼き”。歴史や発祥についてはさまざまな説があり、未だに明確にはされていない、謎多き和菓子の魅力に迫る!
浪花屋総本店 — 麻布十番
かの有名な『およげ! たいやきくん』のモデルとなった名店のたい焼き。尾までびっしりと詰まったあんこの粒感が外から分かるほど、薄くてパリッとした食感の皮が特徴。この薄焼のおかげで、あんこの濃厚な甘さを口いっぱいに堪能できる。
[6匹入り]¥1200/浪花屋総本店
目黒ひいらぎ — 学芸大学
たい焼きをメインに季節に合わせた和菓子を提案する〈目黒ひいらぎ〉。弱火で30分以上かけてじっくり焼き上げた一品は、さっくりとした皮の食感と香ばしさ、みずみずしいあんこのコンビネーションが絶品。まわりから顔を覗かせる餡子のぎっしり感もGOOD。
¥200/目黒ひいらぎ(目黒ひいらぎ学芸大学東口店)
柳屋 — 人形町
口に入れた瞬間のパリッとした食感に加え、コシが強く噛み応えのある薄皮にゾッコン。尻尾までたっぷり詰められたあんこからは、小豆のつぶつぶ感と、控えめながら上品な甘みを感じることができる。こちらも手間暇かけてつくられたレアな“天然モノ”です。
¥180/柳屋
わかば — 四ツ谷
小麦粉に水飴を加えた、しっとりと保水力のある薄皮が特徴。こしあん派の人にも食べてもらえるようにと粒を細かく調理した、口当たりのよい自家製の粒あんにもご注目。ひとつひとつ型に流して焼く“天然モノ”で、型からはみ出た“バリ”を綺麗に切るのが《わかば》流なのだとか。
¥190/たいやき わかば
OYOGE — 六本木
毎日毎日焼かれて嫌になってしまった鯛の代わりに、店頭に並ぶイワシとアサリ。粒あん特有の重さを軽減するためクリームチーズが練り込まれた、洋風の味わいが魅力。洋菓子の技法を用いて、フィナンシェやマドレーヌのようなさっくり&しっとりした口当たりの生地感も楽しい。
各¥334/OYOGE(OYOGE 六本木店)
築地さのきや — 築地
たい焼きならぬユニークな「まぐろやき」が楽しめるのは、ここ《築地さのきや》だけ(!?)十勝産小豆の餡は無添加にこだわり、甘さは控えめ。サクサクとした生地の中には、今にも破れそうなほどあんこがぎっしり。そのまま食べるのも、皮をあんこにつけながら食べるのもおすすめです。
¥220/築地さのきや
photograph_Taniguchi Daisuke
edit_Yamazaki Takamichi,Nozaki Nanami〈KIP Inc.〉
design_Kawai Hiroyasu〈VIA BO, RINK〉
FUDGE vol.237 2023年4月号より