今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
地獄めぐり
今週のさそり座は、日ごろ意識することのない迷いの本丸へと分け入っていくような星回り。
『ゴキブリはもつとゴキブリ殖やしたい』(千坂希妙)という句のごとし。
ここ数年、出生率の低下が生涯未婚率の上昇などとセットで語られる場面がとみに目立つようになってきましたが、掲句はそうした人間たちの現状とは対照的なゴキブリの生命力の旺盛さを、じつに面白く詠んでしまっている一句と言えます。
今週のあなたもまた、人間社会ないし自分が根底のところで抱えている、迷いの底へおりていこうとするでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
レッツじたばた
今週のいて座は、本当の意味での「新しさ」に触れていこうとするような星回り。
恋愛であれ仕事であれ、近代社会ではどんな新しいものもいずれ廃れるものとして、あるいは、いつかどこかで見たことのある光景として出会われる。
そこでは、ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンが「今日の人間のあり方からすれば、根本的に新しさはひとつしかない。それはつねに同じ新しさである。すなわち、死。」(『ベンヤミン・コレクションⅠ 近代の意味』)と言うように、絶対に取り返しのきかないことを除いては本当に新しいものは何もなくなっていくわけです。しかし、果たして本当にそうでしょうか?
今週は、使い古された「時」の使用に反旗を翻していきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自我の脱落
今週のやぎ座は、とことん自分を追っていくうちに“穴”に落ちてしまうような星回り。
『南風吹くカレーライスに海と陸』(櫂未知子)という句のごとし。飛躍をふくんだ見立ては、なんとなくやっているように見えても、わざとらしくならないように一つの句にするのは、実際には相当に難しいはず。
掲句の場合、あとに残るのはどこか爽やかな夏の空気感だけであり、そこにはさかしらな自我のようなものは何も感じられません。
今週は、さかしらな自我をどこまで消していけるかということがテーマとなっていくでしょう。