精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。
こんにちは。精神科医しょうです。日本は世界的にみても、トップクラスに睡眠が足りない国だといわれています。今、記事をよんでくれているあなたも、心当たりがある方も多いのではないでしょうか?日本人の睡眠不足の原因は、「長時間労働や通勤時間の長さ」など色々な理由が混ざりあっているため、急に解消しようといってもなかなか難しいのも現状です。しかし睡眠不足には多くのネガティブ要素があり、特にメンタルに与える悪影響は非常に大きいんですね。
睡眠不足が与えるメンタルへの悪影響とは?
①不安、ストレスの増加
→十分な睡眠をとらないことで脳の情報処理が乱れ、日常のストレスに対処しにくくなります。そのため不安感を増加させる傾向があります。また睡眠が不足することでストレスホルモンの分泌を増加させます。
②情緒の不安定さ
→睡眠不足は感情のコントロールを難しくし、情緒の不安定さを引き起こすことがあります。その結果イライラや怒りがコントロールできなくなり、人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
③自己評価の低下
→自己評価が低下し、自己否定的な考えが増えることがあります。またこの状況が続くと、どんどんとネガティブな感情や不安感がたまっていき、さらに自己否定をしてしまう。
このような負のスパイラルに陥ってしまう可能性が高いです。このように睡眠不足がメンタルに与える悪影響は多く、できるだけ改善していく必要があるといえます。では睡眠不足を解消するにはどうすればよいのでしょうか?
一貫した睡眠スケジュールを確保する
一貫した睡眠スケジュールを確保することで、
・体内時計が整い、起床、睡眠がスムーズに行える
・睡眠のパターンが安定し、夜更かしや寝坊の減少につながる
・生活のリズムが整い、質の高い睡眠をとりやすくなる
このように、睡眠不足を解消する効果が期待できるんですね。具体例としては、
①眠る前にリラックスするルーティンの確保
→例えば、軽いストレッチ、簡単な瞑想、ぬるめの入浴などはリラックス効果も期待できおススメです。
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②夜遅くの活動を制限する
→寝る前の数時間は、刺激的な活動や重い食事などは避けましょう。眠る前になるべくスマホを触らないなども効果的です
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③朝の自然光を受ける
→朝起きたらできるだけ外に出て、もし可能であれば15分から30分ほど日光を浴びましょう。そうすることで体内時計を調整し、睡眠規則性を向上させます。
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まとめ
最初にもお話しした通り、日本人の睡眠不足の原因は多くの理由があり、急に睡眠不足を解消することはなかなか難しいかもしれません。
「私だってできるならもっと睡眠時間を確保したいよ…!」
「眠りたくても生活のために仕方ないんだ…!」
そんな気持ちになってしまう方がいらっしゃるのもよくわかります。そのためまずは自分にできる範囲で改善をしていきましょう。しっかりと対策することで、2時間は無理でも、1時間もしくは30分は睡眠時間を増やせるかもしれません。少しずつ睡眠不足の解消を目指していきましょう。