本能的にママが「誰かに頼りたい」と思ってしまうのは当たり前のこと
。誰かにお願いすることやサービスに頼ることに、引け目や遠慮は感じなくていいんですよ。
2. 母性・父性ではなく 〝親性〟を家族で育てる
ヒトの脳は人それぞれに様々な特徴を持ち合わせており、男性的・女性的という分類を遥かに超えた構造をしています。つまり、性別学的に育児や家事に対する〝向き・不向き〟はないのです。まずはこの事実をパートナーと理解することが重要です。また、男女関係なく、子育てをする際に機能する脳のネットワーク(親性脳ネットワーク)を持っていますが、これが機能しないと子育てをしたいという動機を高めたり、適切にふるまうことが難しくなります。ある実験で、育児を担うママ・子育て関与の少ないパパ・育児を担うパパ(専業主夫)の3タイプに赤ちゃんの様子を映した動画を見せたところ、ママと専業主夫では、脳の反応に同じ動きが見られました。
つまり、
親性脳は「経験」によって育まれるということが科学的に証明された
のです。ママ自身も初めから親性脳ネットワークを備えているわけではないので、2人でゼロベースから「親性脳」を育てていく意識が大事です。やり方の説明が面倒、任せたら失敗しそうという理由で、パパの親性脳を育む機会を奪わないことも大切です。普段の保育園とのかかわりや、児童館へのお出かけ等で一緒に子どもと遊び、親も自分たち以外のパパやママと触れ合う。そういった経験の場を増やしていくことが必要だと思います。
3. 触れ合って遊ぶことで 子どもとの絆を深める
子どもと触れ合って遊ぶことで、オキシトシンを中心とする内分泌ホルモン、愛情ホルモンと呼ばれるものが放出されます。これは「信頼できる相手との絆を高めるためのホルモン」で、触れ合っている両者から出されるものです。
パパが子どもと〝触れ合って〟遊ぶ時間を増やすことで、お互いに愛情が深まり、結果として育児にかかわっていく機会や時間を増やすこともできるかも
しれません。
逆に、普段から触れ合っていないと、たまに触れ合った際に相手を敵だと認識してしまい、対象への攻撃性を高めてしまうホルモンでもあります。そのため、遊びをママに任せきりにすればするほど、子どもとの関係は不仲に…? なんてことも起こりえます。そんなことを望んでいるパパはきっといないですよね。ぜひこの事実をパートナーにもシェアいただき、手を繫いだり、抱っこをしたり、簡単な〝触れ合う〟という時間を増やすところから、取り組んでみるのもいいかもしれません。
my family’s episode我が家はこうしています! モヤモヤ軽減策3
生活リズムが整って効果アリ。 何でもママ頼りを脱却
第二子の里帰り出産や夫の育休に向けて、夫と息子が2人だけでもスムーズに過ごせるよう、2人で確認する一日の予定表を張っています。朝と夕方の忙しい時間帯の、お着がえなどの順序を一緒に確認してもらうことで、何かにつけて「ママ~!」と呼ばれる回数が減りました。時計に興味が出てきた息子はゲーム感覚で楽しんでいます。
(会社員34歳・2歳男の子ママ)
イラストは分かりやすく、はっきりしたものを選びました。
イラスト/本田佳世 取材・文/須田瞭子 編集/本間万里子
*VERY2023年12月号「名もなき家事・育児の担当は気がつくと私 それ、ママじゃなきゃダメですか?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。