家事には色々な作業や思考の繫がりがあるので、分担せずに全部をやってもらう方がいい
。プラス、期間を長めに任せてみること。例えば、思い切って「洗濯」担当だったのを「衣類」担当にするとか。洗濯だけではなく、衣類担当とすることで衣替えの作業や防虫剤が必要なことに気づいたり、名前書きの大変さを理解してもらえるかもしれません。ポイントは気づく機会を失わせないこと。思い切って大ざっぱに任せてみる方が、うまくいくはずです。
2. 家事能力を引き出す コミュニケーションを!
家事について、男性は「ここまでやる」という水準が女性より低いケースが多いことも原因かもしれません。
仕事ではできているはずの周りへの配慮が、家庭内ではおろそかになってしまう
んです。会社だと、気を使って完璧にやり遂げようとしますが、家事って上司がいないですよね。できなくても嫌なフィードバックや査定評価もありません。人によって響く言い方は違いますが、「すごく仕事ができない人に見えるよ。できる人って周りの負担を減らすために動けるよね?」と嫌みっぽく言ってもいいかもしれません。うまくやってくれたら、逆の言い方にして「さすが、仕事ができる人に見える!」と褒める。
やりはじめさえすれば、
男性も効率的に、うまくできるようになる素質を持っている。夫の家事能力を引き出してあげることが大切
だと思います。現に、僕自身が妻に「家事能力」を引き出された張本人でもあります。元々は家事への参加割合が少なかったのですが、妻が粘り強く向き合ってくれたおかげで、今は僕の方が家事をする割合が多いくらいです。また、家事をやる目的を「お互いの自由時間を確保するため」とすると、どうすれば相手の負担が減らせるか?と自然と考えられるパパは多いと思います。
自由時間のために、この家事なら僕の方が効率よくできる! そんなコミュニケーションも生まれるかもしれません。
「感謝を伝えるのは面倒」「説明するより自分がやった方が早い」。そう考えるママは多いと思いますが、でもその先に、快適な自由時間があると思って、諦めないでほしい
のです。感謝の伝え方も、「あなたが〇〇をやってくれたおかげで、お茶の時間が楽しめた!」など、自分にとって嬉しい時間が増えたことを伝えると互いのモチベーションアップにも繫がると思います。諦めずに粘り強くトライしていくこと。これが理想的な家族のかたちを作っていくのだと思っています。
my family’s episode我が家はこうしています! モヤモヤ軽減策2
気づいた人がすぐ書く! ストック系はシェアが 我が家のルールです
我が家は冷蔵庫の横にホワイトボードを張っています。なくなったものは気づいた人が書いておき、週1回の買い出し前に最終確認。それをスマホで撮り、写真をチェックしながら買い出しをしています。夫婦で共通認識を持てるので、買い忘れやムダ買いが減りました。娘の離乳食シーズンもこのボードを使って乗り越えました!
(会社員34歳・2歳男の子、1歳女の子ママ)
切らした食材ももちろんですが、単三電池やラップなどのキッチンアイテムもメモすることが多いです。ホワイトボードを使い始めて、「なんで自分だけが把握しなきゃいけないの?」というモヤモヤと買い忘れのストレスが軽減されました。
パパが子どもと触れ合った方がいい科学的根拠とは?
【Part.3】タスクではないけれど、
正直一番大変で重要な役割かもしれない子どもの遊び相手、
ママじゃなきゃダメですか?
朝から公園で全力の追いかけっこ、お気に入りの絵本の無限リピート、「ママ見て」攻撃…。あれ、まだお昼前!? 体力持たないよ。ママちょっと休憩してもいいかな(涙)。
◉profile
京都大学大学院教育学研究科教授 明和政子さん
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。同大学霊長類研究所研究員などを経て、「比較認知発達科学」を開拓。近著に『マスク社会が危ないー子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか?』(宝島社新書)など。
❝〝親性〟は育てるもの。脳の形や
働きに明確な男女差はありません❞
1. 「ママがやらなきゃ!」の 意識を手放す
ヒトの子育てはもともと「共同養育」という、集団で子どもを育てるスタイルを取っていました。チンパンジーが大体7年ほど(子が自立するまで)の周期で子どもを産むのに対し、ヒトは授乳中でも2年ほどの周期で排卵が始まり、子どもを産むことができます。これは母親の役割として「産む」ということに比重を置き、「育てる」という役割を集団で担ってきたヒトの生存戦略ともいえるのです。
ですから、ママが1人で育児をするというのは、本来不自然なことなのです。祖父母や地域の人々など、みんなで子どもの成長を見守ってきた昔と比べ、核家族化が急激に進んだことで「共同養育」の育児スタイルが崩れたのも、この数十年の話です。現代の日本の育児スタイルの中で、