現ご当主である2代目のご子息達がお店の経営に参画されるようになり、様々な取り組みで注目を集めているお店です。このお菓子も、伝統の味を継承しつつ、パッケージをモダンにリニューアル。より幅広い層のお客様に支持されています。
「蜜屋」の歴史と次世代を担う後継者の活躍
1951年6月、広島県呉市で創業した「蜜屋」。創業者の明神政之助(みょうじん まさのすけ)氏は高知県のご出身で、最初は地元の和菓子屋で働き始めましたが、戦後に広島へ移転してお店を開業。現在は2代目の博氏が後を継がれ、ご長男の政之氏が3代目を継承予定です。
弟の宜之氏も和菓子職人として腕を磨き、2010年には上生菓子のコンテストで「年間最優秀技術会長賞」に選ばれたのをはじめ、全国和菓子協会の「優秀和菓子職」に認定され、それ以降も様々な賞を受賞。海外に和菓子の魅力を伝える講師として抜擢されるなど、期待の若手として活躍されています。
2012年には、広島市内に「旬月神楽」という別ブランドの店舗もオープン。伝統的な和菓子の技法を活かしつつ、現代的な感覚の素材の組み合わせやパッケージを提案し、注目されています。
蜂蜜をたっぷり練り込んだ生地と餡
創業当時から続く看板商品の「蜜饅頭」は、生地にも餡にも蜂蜜を加えているのが特徴。小豆こし餡と白餡の2種類があり、生地は水を一切使わず卵のみで練り上げる「玉練り」という製法で作られています。そこに蜂蜜が入ることで、砂糖を使った時よりもさらにしっとりした濃密な食感と風味に。
自然の産物である蜂蜜は味が変わることもあるため、種類はこれまでに何度か変えながら使っているそうです。
一般的な和菓子に比べて大量の蜂蜜を使うため、餡を練る時のタイミングが難しいのだそう。タイミングを間違うと、餡が焦げ茶色になってしまったり、粘りが強く出すぎたり。 饅頭自体も、高温かつ短時間で焼くのがポイント。この見極めを誤ると、ベタベタの饅頭生地になってしまいます。
口にすると、しっとりした生地からも、餡からも、芳醇な蜂蜜の香りがふわりと広がります。白餡は、やさしい風味の餡から蜂蜜の風味が強く感じられ、小豆こし餡以上に華やかな印象です。
日本茶とはもちろん、コーヒーや紅茶とも相性がよく、昔懐かしいのにモダンな味わいが楽しめます。
広島土産にも喜ばれるパッケージデザイン
パッケージは、2018年9月に現在のデザインにリニューアルされました。5個・8個・12個・18個・24個・30個入の箱があるので、自家用、お土産、大勢への差し入れなど、様々な用途に対応できます。小豆こし餡と白餡が共に入っているので、召し上がる方それぞれの好みで選んでいただけるのもいいですね。
特に、5個入・8個入箱のデザインには、地元で親しまれる赤いアーチ橋「音戸大橋」や、江戸時代に灯台の役割を果たした「高燈籠」など、呉の名所が採り入れられています。
さらに、広島の観光名所として知られる安芸の宮島の厳島神社や広島城、原爆ドーム、多くの公園で楽しめるバラの花や瀬戸内レモンの花や実など、広島ならではの絵柄です。見ているだけで何だか心がウキウキして、広島に行きたくなりますね!