心なく発せられる夫の無神経な言葉の数々。そもそも、「夫による地雷爆破」はなぜ起こる?夫婦問題の専門家池内ひろ美さんに聞きました!
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教えてくれたのは…夫婦問題の専門家、池内ひろ美さん
家族問題評論家。夫婦・家族問題評論家。一般社団法人ガールパワー代表理事。家族メンター協会代表理事。内閣府後援女性活躍推進委員会理事。相談件数は3万8000件超え。著作活動、メディアや講演会など多数出演。
【理由1】男性脳と女性脳の違い
夫の言葉が足りず、 妻は余計な一言が多い
あるアメリカの研究機関の調べによると、男性が1日に話すワード数は7、000語なのに対し、女性は20、000語を話すそうです。男性が1日に話す量は、女性の約3分の1なんだとか。
特に日本の40代、50代男性は、「お茶!」「新聞!」と、夫が単語一つで妻に対し命令する親世代に育てられたこともあり、主語がない会話も多く見受けられます。実は、夫婦の関係は、主語を付けるだけで、ずいぶんと変わってくるのです。
また、日本の男性は、「てにをは」といった助詞に弱く、助詞一つで響きが変わってくることに鈍感です。例えば、「夕飯、お惣菜でいいよ」と言うのか、「夕飯、お惣菜がいいね」と言うのかで大きく印象が変わりますが、それに気づいてもいません。
一方、女性は言葉数が多い分、余計なひと言を言いがちです。私は、これまで3万8000組のご夫婦の相談に乗ってきましたが、夫が地雷を踏む前に、実は妻がその呼び水となるWORDを招いているパターンが多く見られます。
読者アンケートを拝見しても、言葉の使い方はともかく、夫は間違ったことを言っていません。しかし、確かに無神経、無関心であることも間違いありません。ならば、言葉を操るのが得意な女性の特性を生かし、「夫の無神経WORD」を「妻が生きやすいWORD」へとすり替えていきましょう。
一番近い人間関係だからこそ、「ありがとう」「ごめんね」という人間関係の基本の言葉を駆使し、「ありがとう、今日はお惣菜がいいね」といったふうに。それを繰り返すうちに、夫の行動は少しずつ変わってくるはずです。
【理由2】女性の社会的立場の変化
働く妻はタスクが多く余裕がない
政府の統計によると、現在、40代女性のうち約7割が何らかの仕事を持ち、社会と接点を持っています。子育てや家事に加え仕事を持つ40代は、タスクが多く余裕がありません。そのため、ちょっとした夫の無神経な言葉にも、敏感に反応し、イライラしてしまいます。
10年ほど前から「イクメン」という言葉が浸透していますが、2023年から政府の施策として導入された「男性の育児休業制度」も、実際取得しているのは、20代~30代前半。専業主婦が多かった親世代を見て育ち、今は新しい夫婦関係を築く新世代を間近で見ている40代夫婦は、宙ぶらりんの状態なのかもしれません。
それでも、腹を立てているだけでは余計疲れるし、発展性もありません。男性は、人生で3回学び変わることができると言われています。1回目は「母」、2回目は「恋人」、3回目は「妻」の手によってです。
【理由1】でも述べたように、妻が夫の「無神経WORD」を正しく変換して、夫を変えていきましょう。この方法なら、プライド高き男性を傷つけることなく、可愛げのある言葉で愛される女性でいられます。そうすれば、自身も疲れることなく、夫婦円満へと導く秘訣となるでしょう。
イラスト/MASAMI 取材/石澤扶美恵、小出真梨子 ※情報は2024年2号掲載時のものです。
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