ベランダには鉢物のほかに、室内で楽しんだ枝物も。
玄関には古い日本の格子の建具を置き、洒落た和のアレンジでゲストをお出迎え。
好きなものは貴賎を問わず集める
「器は華やかなものが多く、必ずしも実用性は求めていません。新しいもの、古いもの、高価なもの、ガラクタ的なもの、好きなアイテムはテイストを問わずミックスして飾ります。伊万里の隣にインドの器があったり、南部鉄瓶と英国のティーポットが並んでいたり。イギリスで暮らしていたときに身につけたセンスかもしれません」
花を生けなくても、転がしておくだけでサマになる壺やベース。インド、日本、北欧のものが混じり合う。
テーブルコーディネートは、最近赤がキーカラー。
様々な国籍の茶器を黒で統一し、インドの真鍮のトレイの上に。
日本伝統の水屋箪笥を小さくしたようなデザインなのに、どこかモダンなたたずまいが気に入ったアンティークの食器棚。
愛犬たちの居心地は、何より優先
「繁殖犬という過酷な境遇から保護されて我が家に来たポメラニアンの“りっちゃん”は、この先悩みもなく、好きなものに囲まれのびのびと過ごしてほしい。長いつきあいのチワワの“ピグミ”は猫みたいな性格をした犬。最近は高級座布団の上がお気に入りのご様子です」
本名“Lilie”の刺しゅう入りおもちゃを表札がわりにしたりっちゃんのおうち。さとかなさんのベッドの横で安心。
伝統の職人技でつくられた「丹羽ふとん店」のミニ座布団に、ピグミが鎮座します。いい風格!
佐藤佳菜子さんのファッションとインテリアの関係
噂の整頓上手のクローゼットルームにも潜入。クリーンな空間づくりは着こなしにも通じる!
一部屋をクローゼットにして家の中の空気を切り替える
さとかなさんといえば、親友であるエディターの東原妙子さん邸の大掃除でもおなじみ、合理的な収納システム理論を持つ整理整頓の達人。「もうね、妙ちゃんのカオスな家と比較してほしい、いや、なんの比較にならないけど(笑)」。一箇所にまとめた衣装部屋は、ワードローブが一目瞭然。「好きなものを飾って居心地を重視したリビングやベットルームを静とするなら、仕事場を兼ねたここは動の部屋。自分だけでなく人を招いてくつろぐリビングと、自分一人であれこれ考えるクローゼットという対比もありますね」。役割を切り替えて、どちらも理想的に整える、聡明なさとかなさんらしさにあふれた空間の使い方に、脱帽!
「ジュエリーだけは捨てないんです。チープなものもとっておいて、ジャラジャラつけたおばあちゃんになりたい!」とさとかなさん。ボックスに整理して、スタメンだけを最前列に。
色別のグラデーションで整然と分けられたトップス。アウター、ボトムコーナーも同じように、ベーシックカラーが無限に並ぶ。
まるでバッグショップのように陳列されている美しい整理術。自立しないものは、透明のアクリルスタンドで立てるこだわりっぷり。
【美容エディター 前野さちこさん】暮らすと働くをともにする空間
大胆な間取りで、居心地よく、どこか非日常感も味わえる家
美容エディターの前野さちこさんの新居は、ちょっと“日本離れ”した空間。玄関を入ると伸びやかな天井高のスタイリッシュなリビングが広がる。一軒家の1フロアが居住スペースで、残りの2フロアがスタイリストの夫の仕事場、撮影スタジオになっている。
「夫も私も家で仕事をする人間。生活の仕方を建築家に相談し、一から設計しました。広々としたLDK以外は、大胆にカット。水回りや寝室は最小限の広さなんです。普段は基本的に私が独占(笑)。特製のワークスペースにコスメを収納し、キッチンの横で仕事をしています。二人ともあまり外出せず、長時間を家で過ごすため、この開放的なリビングは精神衛生上とっても大切。家にいながら旅をしているような気分になれるので、こだわったかいがあったように思います」。
「ザ・ロウ」のゆったりとしたパンツスタイルでたたずむ姿は、まるでバカンスにきたよう!