物件の決定からローンの借り入れ・返済まで。住宅ローンの選び方、審査に必要なもの、必要な保険など、購入に必要なことや調べておくべきことをチェック!
《1》物件を決める
予算、立地などの諸条件に加えて、室内はもちろん共用スペースの雰囲気など、感覚的な部分も大切に。結婚や子育てを視野に入れている人は、保育園など、住むエリアの行政サービスもチェックしよう。
Q.頭金は必ず用意しておくべき?
必須ではないがこれからはあったほうがいい
頭金がなくても購入できる物件もあるが……。「低金利時代は価格の1割でも大丈夫と言われていました。ただし金利が上昇してきている今、多くの金融機関で頭金を2割入れると金利を優遇しています。また、売却する可能性なども考えると、頭金は2割程度あると安心です」(高山さん)
《2》住宅ローンを組む金融機関を選ぶ
「金融機関は、“会社の福利厚生が使える”など、その人によって有利なところが変わります。さらに政策金利が上がっている今は、銀行自体の方針も様々。また金利のみならず手数料も考えて、比較検討して決めたほうがいいです」(高山さん)。よりお得なローンを組むためのリサーチは怠らないこと!
ネットバンク
大手銀行よりも金利を安めに設定しているところが多いが、購入後に少しずつ利率を上げていったり、事務手数料が割高になってしまうケースもある。
大手銀行
たとえば三菱UFJ銀行は、政策金利の引き上げ後も住宅ローンの金利は据え置きのままなど、借り手側にとって安心感はあるが、方針が変わる可能性は大。
会社の提携銀行
自分もしくはパートナーが勤めている会社が取引きしている銀行だと、社員は金利抑えめでローンを組める場合も。念のために調べておく価値はあり!
不動産会社の提携銀行
不動産会社が紹介してくれる金融機関は、金利が高い場合が多い。アドバイスに耳を傾けつつ、自分で相場を調べて、納得いくようであれば利用しよう。
⚠️支払う金額が大きく変わるため複数見積もりに行くべし
《3》ローンの事前審査
金融機関側に「この人にお金を貸しても大丈夫か」と判断してもらう。勤め先、勤務年数、現在の年収などを申告。ペアローンを希望する人は相手の情報も伝える。結果は1、2日~1週間ほどでわかる。
《4》ローンの種類を選び、団体信用生命保険に入る
住宅ローンは、返済方法、期間、元金(借りた金額)に対してつく金利の3つを組み合わせて構成されている。自分にとって適切なローンを組んだら、万が一のために保険にも加入を。「団信は契約者が死亡したときに住宅ローンの残債がゼロになる保険。今はがん、三大疾病など様々な商品が。ローン返済のリスクが低くなりますが、金利が高くなるので、すでに加入中の保険を見直すなどの工夫を」(高山さん)
[ローンの種類は、返済方法×返済期間×金利タイプ 3つの組み合わせで構成される]
返済方法
◦元金均等返済
◦元利均等返済
元金のみを定額で返す「元金均等返済法」か、元金と利息を足した金額(元利)を、定額で返し続ける「元利均等返済法」かを選ぶ。一般的に後者のほうが返済計画は立てやすい。
返済期間
基本は1年以上35年以下
ローンの平均的な返済期間は35年。貸す側も完済時の年齢の上限を75~80歳までにしている金融機関がほとんど。退職後も支払いができるかも、よく考えて。
金利タイプ
◦固定金利タイプ
◦変動金利タイプ
完済まで同じ金利でローンを返し続ける固定型と、政策金利の変化により、金利が変わる変動型のどちらかを選ぶ。現在は、固定よりも変動タイプのほうが金利は低い。
団体信用 生命保険
◦一般団信
◦がん保障付団信
◦3大疾病保障付団信
借主の死亡時や高度障害などの際にローンの残高が保険金として支払われるのが一般団信で、ローンを組む際に加入する。病気になった際に適応されるタイプの団体信用生命保険も登場している。
Q.よく聞く「フラット35」とは?
完済までの金利が固定された住宅ローン
最長35年間までの固定金利型ローン。住宅金融支援機構が、民間の金融機関と提携して行っている。国が住宅ローンを借りやすくするためにつくったものなので、自営業の人も審査が通りやすいなどの特徴が。
Q.金利が上がっている今、どれを選ぶべき?
返済年数とも合わせて、比較検討が必要
フラット35の固定金利は約1.9%。一方で変動型の金利は平均で0.7%前後なので、まだ変動金利型のローンのほうが払う利息は少ない。ただし変動金利型は年に2回、利率が変わる。高金利時代の今、返済年数とも照らし合わせて比較検討すること。
《5》ローン本申込・売買契約登記手続き
ローンの種類が決まったら、金融機関に本審査を依頼。審査が通ったら、不動産会社を通じて購入の契約をする。登記の手続き、契約の際の事務手数料など諸経費も発生。この分の費用も想定しておいて。
《6》ローン返済スタート
「月に10万円」など、返済時に決めた金額を金融機関に支払っていく。一度支払いが始まるとルーティン化しがちだが、変動金利でローンを組んだ人は、利率が上がっていないかなど返済額をこまめに確認。