ライフステージが大きく動く30代は、住まいを見直す絶好のタイミング! 都内で暮らす30代女性に、“家を持つ”という選択が暮らしにもたらした変化や、住まいづくりの工夫について伺いました。
この記事でご紹介するのは、パートナーと同棲中のTさんが単身で購入した2LDKの中古マンション。Tさんが家の購入やリフォームにかけた費用、理想の暮らしを形にするためにこだわった点などを2記事にわたって教えてもらいました。
単身ローンで中古マンションを購入した30代女性のマネー事情
築年数のある住まいのため、キッチンの排気口はプロペラファンタイプ。レンジフードのように見せるため、シルバーのボックスを取り付けて工夫している。
東京都中野区で中古マンションを購入したTさんは、パートナーと同棲中。長年1LDKで二人暮らしをしていたが、2024年に以前から注目していた物件が売りに出され、購入を即決したそう。ヴィンテージマンションの趣を生かしたフルリノベーションを実行。
住宅購入費は約5900万円、リノベーション費用が約1300万円の合計約7200万円
「住宅購入費は約5900万円、リノベーション費用は約1300万円。SUUMOの『支払額シミュレーション』で試算してみたところ、月々の返済額が賃貸のときとほとんど変わらなかったため、迷わず購入を決めました。物件を逃したくなかったこともあり、同棲中のパートナーには事後報告となってしまって若干怒られましたが(笑)、最終的には納得してくれました」(Tさん、以下同)
自分&パートナーの月々の負担額は? 中古マンション購入のお金事情
毎月のローン返済額は約20万円。パートナーとの折半で1人10万円の支払い
「パートナーと婚姻関係を結んでいないため、審査要件や必要書類が厳しかったペアローンは断念し、私の単独名義で物件を購入しました。リノベーション費用も含めた35年のフルローンで、金利の低い変動型を選択。毎月のローン返済額は約20万円で、パートナーと折半し、それぞれ10万円ずつ負担しています。そのほかに、マンションの管理費(月約1万9000円)、修繕積立費(月約6000円)、年に一度の固定資産税(約14万円)はすべて私が支払っているため、実質的には月あたり約14万円を負担しています」
ダイニングの壁に棚を造作。料理本やフィギュアなど、二人の趣味が詰まった空間に。
リノベーション費用を節約するコツは
設備面には妥協せず投資。それ以外はもともとのデザインを生かしコストカット
「リノベーション費用は当初約1000万円を想定し、複数社に見積もりを依頼しましたが、最終的には約1300万円に。築49年のマンションということもあり、水回りの設備にお金がかかりましたね。それ以外の建具や壁などは、残せるところは極力そのままに。来客から見えないベッドルームの床は、コストを抑えるためにフローリングを断念して、塩ビ製のタイルで仕上げました。今後お金に余裕ができたら、気になる部分を少しずつ追加でリノベーションしていきたいと考えています」
障子や飾り棚など、もともとの和室のデザインをそのまま残し和モダンな空間に。
マンションを買ったことによる考え方の変化は?
持ち家を手にしたら、将来への不安が和らいだ
「月々の返済額に変化がないため、正直なところお金に対する考え方が大きく変わったということはなくて。ただ、資産となり老後も住める家があるという点で、気持ちの面では安心感につながっています」
中古マンションのリノベーションを検討している人にアドバイスは?
リノベ費用は思ったよりも高い! 住みながら徐々にアップデートしていくのも手
「マンションの持っているヴィンテージならではの雰囲気を引き継ぎつつ、自分たちの暮らしに合った間取りに仕上げたかったので、リノベーションをして正解でした。最近はリノベーション済みの物件もたくさん売られていますが、設計から行うことでより愛着がわくのではないかと思っています。ただ、古いマンションだと思ったより設備にお金がかかるので、やはり多少の妥協は必要。最初から完璧な状態を目指すのではなく、住みながら自分好みに変えていくという気持ちで挑むと初期投資を節約できると思います」
撮影/田村伊吹 取材・文/海渡理恵