ライフステージが大きく変わるバイラ世代は、住まいを見直す絶好のタイミング! 都内で暮らす30代女性に、“家を持つ”という選択が暮らしにもたらした変化や、住まいづくりの工夫について伺いました。
この記事でご紹介するのは、34歳で注文住宅を建てたご夫婦。オーダーメイドの家づくりにかけた時間や費用、理想の暮らしを形にするために意識した工夫まで、2記事にわたってたっぷり教えてもらいました。
海外駐在から帰国し、34歳で戸建て購入を決断
夫Nさんの海外駐在でNY生活をしていた二人は、帰国後すぐにマイホーム探しに着手。
「一戸建ての購入を考え始めたきっかけは、“このまま賃貸で家賃を払い続ける意味があるのだろうか”と疑問を抱いたことでした。日本に帰国してからは、駅から離れた2LDKに家族4人で住んでおり、間取りも立地もあまり気に入っていなかったにもかかわらず、月々の家賃は約18万円。それなら、賃貸と月々の支払い額が大きく変わらない範囲で、暮らしを自由にカスタマイズでき、子どもたちものびのび育てられる一戸建てを購入しようと決めました」(Kさん・以下同)
自由にカスタマイズできて、子どもをのびのびと育てられる注文住宅を選択
「1から設計・建築を行う注文住宅で家づくりをしたいという願望がずっとあって。大手ハウスメーカーも検討しましたが、最終的には、私たちの理想を丁寧に汲み取ってくれる友人の建築士に設計を依頼することにしました」
注文住宅でかなえた、理想の間取り
妻Kさんがこだわったのは、人が集まりやすい広々としたオープンキッチン
3〜4人で並んで料理しても余裕のある、広々としたキッチンは収納力も抜群。ホームパーティをよく開くため、ワイングラス用のラックも備え付けた。
料理好きが高じて副業でケータリングの仕事をしており、現在は自身の店のオープンに向けて準備中のKさん。
「設計で最もこだわったのがキッチン。アメリカから取り寄せたガスオーブンをはじめ、最新の調理機器を導入し、実用性とデザイン性を両立させました。また、週末は友人を呼んでホームパーティをすることが多いので、キッチンはバーカウンターを兼ねたオープンスタイルに。料理をしながらみんなと話せる、この空間がとても気に入っています」
開放感あふれる屋上空間は夫Nさんのこだわり
3階にあたる屋上は視界が開けており、晴れた日には心地よさが際立つ空間。
「家の購入では、金銭面は夫、デザイン面は私が主に担当しました。アウトドア好きの夫にとって、家づくりで唯一譲れなかったのが“屋上空間”の設置。大手ハウスメーカーで下見をした際、『予算削減のためには屋上は諦めたほうがいい』と言われたのですが、そこだけはどうしてもこだわりたくて。結果的に、妥協しなくてよかったなと思っています。最近は天気のいい週末に友人たちと屋上でBBQを楽しむのが定番に。夫は『サウナを設置してもっと屋上空間を充実させたい』と張り切っています」
段差を作って空間を広く見せる
空間に段差を設けることで視界が開ける。仕切りは机の役割もあり、ちょっとした作業に最適。ソファは収納スペースも兼ねている。
「勾配をつけた天井を生かし、空間を広く見せるためにリビングとダイニングにあえて段差を設けました。ゆるやかに空間を仕切ることができるので、友人家族とホームパーティをするときも、大人はダイニングでお酒を楽しみ、子どもはリビングでゲーム……と、過ごす場所を自然に分けられるのがメリットです」
こだわりが詰まった一生もののインテリア
各国で買った家具を取り入れ、愛着を持てる空間に仕上げる
「賃貸時代は引っ越しを前提にしていたため、インテリアにこだわるのが難しかったのですが、持ち家になってからは、海外旅行の際に“一生もの”と思えるインテリアを、多少高くても購入するようになりました」
インドネシアで購入したのは、職人が手作りしたラタン素材のランプシェード。空間にやわらかな温もりを生む。
ニューヨークのギャラリーで購入した現代アート。「我が家にあるインテリアの中で最も高価なアイテムです。ギャラリーのオーナーから、子どもが大学生のなった頃には必ず価値が上がるアーティストだと聞き、資産にもなると考えて思い切って購入しました」
ニューヨークのショップで購入した、モダンなデザインが魅力的なフロアライト。空間に上質な高級感を演出。