4. 中東式コーヒー
日本におけるコーヒーブームの新しい潮流、そのひとつは伝統と革新が融合した中東発のコーヒー文化です。
2025年12月には、100%アラビカ種のスペシャルティコーヒーを専門とするモロッコ発祥の「Bacha Coffee(バシャコーヒー)」が銀座にオープンし、大きな注目を集めています。
なぜ「中東式コーヒー」が来る?
この背景には、SNSでの反響の大きさが挙げられます。たとえば、トルコの伝統的な「土に埋めるコーヒー(テュルク・カフヴェスィ)」のような、独特な抽出方法は、瞬く間に「いいね」を席巻。みんなが新しい体験やストーリーを求めているのが伝わってきます。
スパイスやデーツと楽しむドバイのアラビックコーヒー(ガフワ)など、地域独自の飲み方や、「バシャコーヒー」のように豪華絢爛な内装を持つカフェが注目を集めていることも、中東発コーヒーが次のトレンドを担うと見込んでいます。
5. ホットドッグ
ハンバーガーやサンドイッチに比べて手軽に食べ歩きができ、カスタマイズ性が高いホットドッグが、フードトレンドの最前線にふたたび躍り出ます。特に、コロナ禍以降で盛んになったキッチンカーブームが、このホットドッグの再注目を後押ししています。
なぜ「ホットドッグ」が来る?
ブームを牽引するのは、世界的な有名店の動き。2025年12月4日、ロサンゼルス発の有名店「Pink's Hot Dogs(ピンクスホットドッグ)」が韓国に上陸。
注目すべきは多様なトッピングやソース。食べるのが楽しくなるカスタマイズ性と、見た目のインパクトがSNSで拡散され、日本国内にもじわじわと影響が広がっていくに違いありません。
6. 海藻
日本の食卓に古くからある海藻が、2026年のトレンド食材として見直されています。特に注目すべきは、海藻をはじめとする、ヌメヌメした健康的な食材に着目した「ヌメ活(ぬめり活動)」という言葉の浸透。
なぜ「海藻」が来る?
海藻類が持つ豊富な食物繊維やミネラルは、ヘルシー志向の層から熱い支持を集めると見ています。
また、近年ノルウェーから上陸した「トリュフ海藻」のように、海外では海藻をサステナブルな食材としてとらえる動きも活発。これまでは脇役だった海藻が、海藻塩や海藻チップス、さらには海藻スムージーなど、手軽でおしゃれな形でメイン食材として食卓に取り入れられることで、ブームの核になる予感です。
7. サワードウ
パンブームが続くいま、次に求めるのは、ただの新しいパンではなく「手間ひまかけた本物の味」です。それが、天然酵母だけでじっくりと発酵させる「サワードウ(Sourdough)」。パン好きなら、「もうおなじみ」という人も少なくないはずです。
なぜ「サワードウ」が来る?
すでに欧米圏では定番化しており、近年「サワー種を育てる」ホームベーキングブームを巻き起こしています。
日本でも、手間をかけて作られたサワー種特有の酸味や深い風味が、食にこだわる層の心を見事に掴みつつあります。これからは、専門店の味としてだけでなく、スーパーやコンビニでもサワードウの商品が増えるのではないでしょうか。
8. 花巻(ファーチュエン)
中華圏で主食として愛される「花巻(ファーチュエン)」。このふっくらとした中華蒸しパンは、ほんのりとした甘みと、驚くほどもちもちとした食感が特徴です。
パンブームが続くなか、アジア発のパン系スイーツ・主食が浸透してきた流れを引き継ぎ、専門店やベーカリーでの取り扱いが増えると予想しています。