価値観の不一致。それは世の男と女の間でもっとも多い決別の理由。でも、そもそも価値観の違いって、いったい何なのでしょう? なんとなくわかるけれど、でも当事者じゃないと腑に落ちない。そこで今回は、こんなとき価値観の違いを感じたという方のさまざまなエピソードをご紹介します。
特定の宗教を信心している彼
【リアルな夫婦生活】vol. 108
「日本はまだ海外に比べると宗教・思想問題はそこまで根深くないものの、確固たる考え方をする人っていますよね。私がかつて付き合った男性も特定の宗教を信仰していました。もちろん、思想の自由はあるし何を信心していようが、彼が彼らしくあればそれで良かったんですけれど……。
付き合って2年が経つ頃からか急に『ウチの集会(信心している宗教)に来ない?』とお誘いを受けるように。多分、彼は私との結婚を視野に入れていたからこそ、私にも宗教に関心を持ってもらいたくて誘ったのだと思います。はじめのうちは嫌だなと思いながらも仕方なくついて行ったのですが、そのうちに同じ宗教仲間の人から『いつ入信するの?』『結婚するなら早いうちにしたほうが良い』などなぜか勝手に私がその宗教に入ることになっていて、あれは本当に恐ろしかった。
宗教に関しては文句は言わないから、私を巻き込まないで欲しい。でも、もう押し付けられたことがきっかけで彼への気持ちも興ざめ。彼には悪いけれど、数か月後に別れることにしました」(27歳 営業)
束縛のつもりはなかったけれど……
「誰に聞いても『そんなことで別れたの!?』と驚かれるし、私もいまだにあの時のことはわからないんですが価値観が違うと一方的に振られた経験があります。それは、20歳の頃に4歳年上の彼と付き合ってた時のこと。付き合いたてって、やっぱり盛り上がるじゃないですか。会えない時、彼は何してるのかな? とか、今声聞きたいなとか。そういうのって普通ですよね?
だから私も学校やバイトが終わった後に『 今、何してるの~? 』とラインを返すことがよくありました。と言っても、そんな頻繁に送るようなことはしていませんよ。1日何ラリーかするうちの1回あるか、ないかです。
そしたら彼からある日急に『 なんで会わない時のことまで報告しなくちゃいけないの? 俺、そういう束縛嫌いなんだよね 』と言われてしまいました。彼の言い分によると、束縛が激しすぎた元カノに、しつこく『今何してるの? どこにいるの?』と聞かれたことが相当トラウマになっていたみたいです。だからって私とその元カノは違うのに……。些細なひと言が別れのきっかけにもなってしまうのですね」(24歳 事務)
仕事に対する価値観がまるで違う
「私の彼は仕事に対する意欲がまるでない人なんです。野心家であれ! とまでは言いませんが、やっぱり男性だったら(という言い方も差別的かもしれませんが)、仕事に対する熱意は自分以上に見せて欲しいなと思ってしまいます。
お給料がそれなりにもらえれば良い。別に無理して出世しなくていい。それなりに、生きていけたらそれでいい。欲がないといえば聞こえは良いのですが『そこそこ』で満足しているその姿が、仕事に意欲的な私からするととても物足りないんです。でも、付き合い続けていくうちに彼のそういう部分が変わるかなってどこか期待もしていて。合わないな……と思いながらも付き合いを続けています。やっぱり別れたほうが良いですかね?」(28歳 広報)
話し合いで折り合いがつけられるかが鍵
自分と全く同じ価値観を持っている人などいませんよね。しかし、だからと言って価値観が違い過ぎてもうまくやっていけない。価値観が違ってもうまく付き合いが続くパターンとそうでないパターン、果たしてその違いというのはどこにあるのでしょうか。今回3名の方のお話を聞いて、また私自身の過去の経験を踏まえて感じることは、『話し合いで解決できる問題かどうか』が分かれ目になるのかなと思いました。
宗教や思想に関する考え方や違いは、大きな溝が生まれるほどの価値観の違いが生じますが、お互いにそれを相手に押し付けることさえしなければうまくやっていけるようにも思えます。一概にはいえませんが、今回のケースは彼が彼女を宗教に誘うことをせずうまく線引きできていれば、お付き合いとしては続けられたのかもしれません。もちろん、実際には、お互いに求めるものが違ったのでお別れしたというのが今回の結果ではありますが……。
対して、最後にご紹介した方の仕事に関する考え方の違い。これは話し合いで一時的に解決できる場合もありますが、根本的な相手の人間性は変わらないのでお互いの在り方を認め合えない限りは、お付き合いを無理に続けても不満が生じるの可能性のほうが高いです。
ご自身が相手の何に妥協できて、何に妥協できないか。そしてそれは話し合えば解決できるものか、そうでないのか。その見極めが大事なのかもしれません。