足に痛みがないからといって油断できないのが、外反母趾と浮き指。足指を見直せば、美も健康も思いのまま!
外反母趾って?
足裏の刺激不足でアーチが崩れ、足指の力が衰えると、先細の靴に合わせて親指が曲がったり、親指の付け根の骨が出っ張るようになる。
セルフチェック
足の親指が小指側へ15度以上曲がっているかどうかが目安。
浮き指って?
足裏への刺激不足で足指の力が低下。さらに、ゆるい靴を脱げないよう指を上げて歩くと踏ん張れない足に。上から見ると指はまっすぐで気づきにくい。
セルフチェック
足の力を抜き、足の親指を甲側に向かって強く押したときに90度以上反る。
外反母趾と浮き指がQOLを下げる
初期の外反母趾は痛みを伴わないし、浮き指は上から見るとまっすぐなので見過ごされがち。そして「自覚症状がないのが問題」と警鐘を鳴らすのは、『カサハラフットケア整体院』院長の笠原巖(いわお)さん。
「足裏は家に例えると土台。ここがしっかりしていないと家が傾くように、外反母趾や浮き指があると重心がかかとに偏って足裏が不安定になり、バランスを補うために膝や腰、首に歪みが生じて原因不明の痛みや体の不調が起きます。以前、裸足で生活する民族を独自に調査しましたが、彼らに足のトラブルはありませんでした。靴で平らな所を歩く現代人は足裏の刺激不足で足指が退化しているのです」
靴を脱いだら、足指を鍛えるクセをつけよう。
「親指の可動域を広げて踏ん張って歩けるようにするために、下記の運動を習慣に。指先ではなく、指の付け根から深く曲げることがコツ」
外反母趾、浮き指を防ぐ「カサハラ式 グーパーリハビリ運動」
1、左手で足の甲をしっかり押さえて。(左足の場合)
右手の人さし指を左足の指の付け根にのせ、右手の親指を左足裏の親指の付け根に置き、残りの3本指で親指をにぎる。
2、可動域を広げ機能を取り戻す。
親指付け根から深く内側に曲げる「グー」、親指を左右に回す「パー」の運動を交互に繰り返す。反対も同様に、毎日5分ずつ行う。
【タコ、ウオノメ】自己流の角質ケアは危険
存在感があるタコやウオノメ。プロの手に頼るのがベストだけれど、セルフケアする際は注意が必要。
なかなか治りにくいタコとウオノメ。似たような見た目だけど、両者の違いは?
「足裏の一部に圧迫摩擦で角質層が肥厚して黄色っぽく変色するのがタコで、あまり痛みがないケースが多いです。ウオノメは、ピンポイントに圧がかかり中心に芯ができて魚の目のように見えるのが特徴。この芯が歩くたびに神経を刺激するため、痛みを伴う場合も」
と、ドイツ式フットケアサロン『salon de PureBody』のオーナー・大多和圭子さん。原因は、足のアーチの崩れや合わない靴などさまざま。自然治癒することはないのでケアは大切だが、角質の削りすぎは細菌が入ることもあるので、注意が必要だ。
「風呂上がりなど清潔なときに専用やすりで皮膚を傷つけないように少しずつ削り、保湿を必ずセットで」
※『anan』2019年5月1日-8日合併号より。イラスト・竹田明日香 取材、文・岡井美絹子 野村紀沙枝
(by anan編集部)