ヨガには数え切れないほどたくさんのポーズがあります。流派によってやり方が異なる場合もありますが、どんなヨガでも大切なのは土台を安定させること。特にバランスのポーズや立って行うポーズは土台となる足元が不安定になると快適さを失います。立ちポーズを安定させるための効果的な方法とは?今回は足元にフォーカスして、ヨガをスタートする前にぜひ取り入れてほしいウォーミングアップを紹介します。レッスン前のちょっとした時間を使ってやってみましょう!
須藤玲子
ウォーミングアップの必要性
ヨガだけでなく、どんなスポーツでも始める前には準備運動をしますよね?いきなり走ったり、運動を始めたりすると、体が重く感じ、自分が思うような動きができないばかりか、息切れしてぐったり疲れたり・・・。そんな経験はありませんか?本格的に体を動かす前には軽く身体を動かすウォーミングアップ(準備運動)が必要です。ウォーミングアップをすることで全身の血行をよくし、エネルギーを上げる準備をしたり、関節や筋肉などを柔軟にすることで身体への負担を軽減したり、ケガを防いだり、その他様々な効果が期待できます。ウォーミングアップは安全に身体を動かす準備だけでなく、身体にスイッチを入れるという意味でも必要不可欠なことなのです!
立ちポーズを安定させるウォーミングアップ
立ちポーズを安定させるためのウォーミングアップは実はとっても単純で簡単なこと!その鍵は足首にあります。誰でも一度はやったことがある「足首回し」です。子供のころ、体育の授業でも行っていた簡単な準備運動の一つです。足首の柔軟性が高まり、足が地面に根付きやすくなるので立ち姿もキレイになります!つい姿勢が悪くなってしまう人や、ヨガの基本ポーズである「山のポーズ」でグラついてしまう人には特におススメしたいこと。子供のころから慣れ親しんだ「足首回し」を改めてより丁寧に行ってみましょう!
HOW TO
1.両脚を伸ばして座る
2.右手で右足の足首を持ち膝を曲げ、左手で右足の指先を軽くつかんで自分の方に引き寄せて左腿にのせる
※右手の親指を内くるぶしの後ろ側のくぼみに添えるように、残りの指を足首の外側に添えるようにしましょう。足の指を広げたい時は手と足の指を組むように絡めてつかんでもいいでしょう。
3.呼吸と体勢を整える
4.吐く息で右足のつま先を突き出すように伸ばし、吸う息でかかとを突き出すように、深い呼吸に合わせてゆっくり足首を回す
5.反対回りも同様に行う
6.足を入れ替え、左足も同様に行う
ポイント
座る際に尾てい骨があたって痛む人、お尻が安定せず足を伸ばして座りにくい人は、ブランケットや座布団などを敷いて行うこと。または、椅子に座った状態で行うのもOKです。深い呼吸に合わせてなるべくゆっくりと、丁寧に、大きく綺麗な円を描くイメージで動かしましょう。また、必ず両手を添えて行うこと。慣れてきたら片足2~3分程度時間をかけてやってみましょう。その後の体の感覚、土台の安定の違いをより大きく感じることができるかもしれません。
足首回しの効果
丁寧に時間をかけて行う「足首回し」は、立ちポーズの安定や、ヨガを楽しみ深めることに限らず、他にもたくさんの効果、変化をもたらします。例えば、足回りを動かすことで血行が良くなり、身体を動かす前から全身がぽかぽかと温かくなります。冷え性の人、これからの季節、エアコンで身体が冷えることが心配な人にもおススメ!また、足首を動かすことでふくらはぎが刺激され、むくみが気になる時にも効果的です。更に呼吸に合わせて丁寧に行う「足首回し」には自分の身体の細かい部分にまで意識を向け、観察をすることで自分の内側を観察する事=「内観」の第一に歩も繋がっていくのです。
最後に
もしかしたら今までは無意識に行っていたかもしれない「足首回し」は、より丁寧に集中して行うことで様々な効果や多くの意味を持つものになります。ぜひゆっくり時間をかけてやってみましょう! ヨガのポーズを深めるのはもちろん、小さな変化に気づくことができたり、自分の身体を観察し丁寧に扱うことができるようになったり、更には大きな意味で自分自身を大切するステップになるかもしれません。
ライター/須藤玲子
2005年にホットヨガと出会い、その後様々なスタイルのヨガを経験。会社員を経てヨガインストラクターになる。現在は、都内を中心にフィットネスクラブ、ホットヨガ、ヨガスタジオ、オフィス出張など多くの場でレッスンを実施。リストラティブヨガからパワーヨガまで、静と動のバランスを大切にヨガの指導を行う。ヨガと同様にアロマを伝える活動も行なっている。RYT200取得/フェイシャルヨガTT/骨盤底筋トレーニングヨガTT/リストラティブヨガTT/NARDアロマアドバイザー/yuica日本産精油スペシャリスト