「幸せになりたい」という焦りが、逆に幸せを遠ざけてしまうのもの。いっぽうで、いつも幸せそうな人は、日常のささやかなことに“幸せを感じとる”能力にたけている、と美容家でもある恋愛コラムニストの安田光絵さんはいいます。その“幸せ感度”を高める秘訣(ひけつ)は、日常の中の習慣や心がけにありました。
安田光絵(恋愛コラムニスト/美容ライター)
「幸せになりたい」……誰もが願っていることではないでしょうか。
幸せになりたくて恋愛をし、彼ができたらさらなる幸せを望み、その先に結婚を願う。それが自分を幸せにしてくれると信じて……。
でも、私自身の経験をふまえて言えるのは、「自分のことは、自分しか幸せにできない」ということです。
幸せは自分でつくるもの
「相手に幸せにしてもらいたい」と考える人は、特に女性に多いような気がします。
でも、自分の幸せを相手任せにしていると、自分の考えていた状態にならなかったときに、「こんなはずじゃなかった」と相手を責めてしまいがち。
私自身がそうでした。たとえば、念願の彼とつき合ったときのこと。
なかなかLINEをくれない、すてきなデートのプランを立ててくれない、誕生日プレゼントが期待と違っていた、と不満を募らせていました。
「彼が私を幸せにしてくれる」と期待していた私は、彼から思うものを得られなかったときに、「なんで私を幸せにしてくれないの?」と、すべてを相手のせいにしてしまっていたんです。
このように、自分の幸せを相手任せにしていると、期待がはずれて不機嫌になり、相手の行動や思考に一喜一憂し、それによって振り回されてしまう。
これでは、自分の幸せどころか、相手にとっても不幸でしかありませんよね。
欲望は果てしない、ということを知ること
人間の欲望には、きりがありません。
彼がいないときは、好きな人がいるだけで幸せ、片思い中なら、あの人とつき合えたらそれで幸せ、その彼とつき合えたら、彼と結婚できたら幸せ、彼と結婚できたら、子どもができたら幸せ……。
幸せの欲望は、それがかなったとたんに、次はこれ、その次はあれと、際限なく続いていくものです。
また、常に新しい刺激を求めて、古くなったものはすぐに飽きる、という人もいるでしょう。
あんなに欲しかった洋服やバッグを手に入れても、ワクワクするのは最初だけ。次のシーズンにはとうに飽きて、また別の新しいものが欲しくなる……思いあたる人もいるのではないでしょうか。
でもそうではなく、今あること、今いる人にありがたみを感じる、それを「意識する」ことが、“幸せを感じやすい体質”を形づくっていくのです。
それはどういったことなのか、具体的にお話ししていきますね。
日々の中に“幸せを感じる”を心がける
普段、なにげなく暮らしていると、つい見落としてしまうのですが、こまやかに意識をすると、“自分がいかに幸せに囲まれているか”ということに気づかされます。
ひとつひとつはほんのささやかなことです。
それはたとえば、朝ごはんにおいしいパンを食べた、プレゼンテーションを褒められた、いつもより早く仕事が終わった、ひと駅分歩いたら気持ちがよかった、お天気で洗濯物からいい香りがした、希望の時間に美容院の予約が取れた、たまたまつけた番組に好きなアーティストが出ていた……こんなささやかだけど幸せなことが、いくつも出てきませんか?
“幸せ感度”が高い人は、こういった日常の幸せな事柄を見落としません。
それでは、“幸せ感度”を上げるにはどうすればいいのでしょうか。
私がオススメの方法は、その日に見つけた幸せを、日記に文字でつづること。それを続けることで、幸せを感じとる力は自然と高まります。
また幸せは過去の思い出からも感じることができます。たとえば1週間に一度、その日記を読み返し、幸せの余韻を感じてみましょう。