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「ふたりめはほしい、でも」。経済的な理由、不妊に悩む家庭も

子育て
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さまざまな意見があるでしょうが、子どもがたくさんいる家庭を「にぎやかでいいな」と感じるママもいますよね。一方でそうした家庭を「大変そうだな」と感じるママもいるでしょう。子どもをふたり以上持つためには経済的にも育児サポートの面でも、いくつかの壁があるようです。
先日発表された「夫婦の出産意識調査2019」からは、いわゆる「ふたりめの壁」に悩むママパパの姿、さらに「ふたりめ不妊」の実態が見えてきました。

ふたりめの子をためらう理由、トップは「経済的な理由」

調査を行ったのは、公益財団法人「1more Baby応援団」。全国の既婚男女2,961名が回答しています。

実際に「ふたりめの壁は存在すると思うか?」と尋ねたところ、「存在すると思う」「どちらかといえば存在すると思う」の合計は、全体の73.5%いました。同調査は2013年から7年連続で行っているそうですが、7割以上という結果はずっと変わらないまま。慢性的な課題となっていることがわかります。

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「壁を感じる」理由でもっとも多かったのは、「経済的な理由(82.0%)」。食費などの生活費もそうですが、将来的に考えると「きょうだい全員を大学に入れられるのかな?」と教育費への不安も大きいですよね。
次いで「第一子の子育てで手いっぱい(48.6%)」、「年齢的な理由(44.5%)」でした。子育てする環境が整っていないと感じることや、晩婚化していることの影響がみえます。

また、働く女性と専業主婦で「ふたりめの壁」を感じる理由の比較もしています。双方とも一番高かったのは「経済的な理由(働く女性80.7%、専業主婦85.6%)」でしたが、働く女性での次点は「仕事上の理由(53.6%)」。一方の専業主婦では「第一子の子育てで手いっぱい(55.2%)」「年齢的な理由(48.5%)」「育児ストレスなど心理的理由(46.9%)」だったそうです。ワーキングママは仕事と育児の両立で苦労し、専業ママは育児に専念する毎日に疲れを感じていることがうかがえますね。

「子連れで通える病院が少ない」ふたりめ不妊ならではの悩み

「ふたりめの壁」を拡大解釈すると、「赤ちゃんがほしくても、できない」人も含まれるのではないでしょうか? 調査では自身(または配偶者)が不妊を検討、経験したことがある1,021名にもアンケートを行っています。

「妊娠できないことで悩んだのは何人めか?」と聞いたところ、意外に多かったのが「ふたりめ(35.6%)」でした。

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また「ふたりめ不妊」で悩む人の中で、「ひとりめができれば、すぐにふたりめもできると思っていた」人は59.6%。想像と現実にギャップがあったことがわかります。
「妊娠できない一番の理由」としてあげられたのは、「自身の不妊」が38.5%。続いて「セックスの機会が少なく、タイミングが合わない」が25.0%と、セックスレスも不妊の原因のひとつのようです。

不妊に悩んだときにどうすればよいかを考えると、まず浮かぶのは専門のクリニックではないでしょうか?
ふたりめの不妊に悩む体験を持つ人に、不妊治療専門クリニックについて聞いたところ「子連れで通える病院が少ない(35.8%)」、「子連れで行ける時間が制限されている(32.8%)」、「子連れで通院した際の周囲の目が気になる(28.4%)」が上位となりました。

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たしかに「不妊治療」といえばまだ一度も妊娠したことがない人、というイメージもありそうです。第一子を連れて治療に来る人というのは、クリニック側も想定外なのかもしれません。「周囲の目が気になる」という回答からは治療を受ける際に、子どもがいない人に配慮する気持ちがうかがえます。
回答をトータルすると、ふたりめ不妊で「専門クリニックに通うにあたり、不便を感じる」人は69.4%。治療に行くときに子どもを預けられる施設の充実などが、今後の課題となりそうですね。

公益財団法人1more Baby応援団「夫婦の出産意識調査2019」
【調査対象】
■既婚者2,961名の条件
・対象:既婚女性20-39歳、既婚男性20-49歳(男性は妻が39歳以下)
■調査方法:インターネット

文・鈴木麻子 編集・しのむ

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