「セックスを子供に見られてしまった」という親のお悩みは昔からよくあり、親のセックスを見てしまった子供にどう対処したらいいか、本気で悩んでいる例も少なくありません。「夜の夫婦生活を子供に見られたとき、親としてどうしたらいいか」をまじめに考えてみましょう。
親のセックスを子供に見られた……親としてどうする?
子供に夜の夫婦生活を見られたら……?
「どうやら中学生の長男が夫婦の寝室を覗いていたようなのです」「夫婦が裸で絡み合っているまさにその時に、『怖い夢を見た』と長女が寝室に入ってきました」など、「夜の夫婦生活」を子供に見られてしまった、というお悩みは昔からよくあります。
「時が過ぎれば解決するよ」というのは簡単ですが、当事者にとっては「子供にどう対処したらいいか」を本気で悩んでいる例も少なくありません。そこで今回は、「子供にセックスを見られた場合、親としてどうしたらいいか」をまじめに考えてみましょう。
親のセックス、子供はどうとらえる?子供と性教育
理科で「生殖」について学ぶのは小学校高学年
そもそも、日本の子供たちはどの程度、性について知っているのでしょうか?
理科的な側面でいえば、小5の理科で生殖について学びます。おしべ、めしべ、受粉、また魚などの産卵、受精などが教科書にも出てきます。哺乳類についても卵子、精子などの言葉が出てきますし、交尾などのちょっとドキッとするような言葉も登場します。子供から「パパとママはいつ交尾するの?」と無邪気に聞かれました。と苦笑交じりに話すママさんたちの話も聞いたことがあります。
また、中学生になると中3でさらに詳しく受精卵の分割や遺伝について学ぶことになります。その中では生殖器官についても触れますので、陰茎、ちつ、子宮などの単語が登場する場合もあります。
もちろん学校以外でも、いえ、学校以外のほうこそ、子供が性に関する情報に触れる機会は多いでしょう。雑誌やネット上にはさまざまなエロティックなアニメや漫画があふれていますし、中には結構過激なものもあったりします。
一方で子供たち自身の身体の発達も、昔に比べて早くなっています。女の子が初潮を迎えるのは平均で12.3歳。男の子の精通が起きる平均も12.9歳といわれていますから、多くの子供が小学校の間に体と心が大きく変化しています。
セックスシーンを目撃した場合でも、小学校低学年以下と高学年以上では全く感じ方、理解の仕方が違うと考えるべきでしょう。従って、親としての対応も、子供たちの状況に合わせて行うことが必要になってきます。
小学校低学年以下にセックスを目撃された場合
子供を寝室から追い返したりせず、子供の不安を取り除いてあげましょう
では、小学生低学年以下の子供にセックスを目撃された場合、どのような対処が考えられるでしょうか? この年齢では、まだセックスについてよく知らないと考えてもいいでしょう。ただし、パパやママが裸で重なり合っている、またうめいたり喘いだりしていることに驚きや違和感、もしかすると恐怖を感じるようなこともあるかもしれません。
まずはできるだけ早く、服を着るなど自分たちの態勢を整えましょう。そして、子供を寝室から追い返すのではなく、むしろ積極的にベッドに招き入れたり、近くに呼び寄せて抱きしめたりなどして、子供の不安を取り除いてあげましょう。
そして、もし「裸でいたこと」に対して疑問をぶつけてきたら、回答を避けたりごまかしたりせず、きちんと答えてあげましょう。たとえば「肌と肌が触れると気持ちいいから、くっついていたんだよ」「パパのことが大好きだから、ぎゅーって抱っこしてたのよ」など、2人の愛情表現であることを伝えることがおすすめです。
夫婦の交わりの様子を「パパがママをいじめているのかと思った」「ママが泣いているのかと思った」と表現する子供もいるくらい、いつもと違う両親の様子は、子供心にも何だかただならぬ雰囲気を感じるようです。だからこそ、「パパとママは仲良しなんだよ」というメッセージを、最初にしっかり伝えましょう。
あるいは「暑いから裸で寝てたんだよ」「眠かったから、早く寝ようと思って服を着るのを忘れてた」のように、冗談めかして笑い話にしてしまうのも、状況によっては有効かもしれません。
もちろん、この程度の説明では納得しないお子さんもいるかもしれませんが、この年齢の子供たちに詳しい説明をするわけにもいかないので、うまく話を切り上げて、違う話題にもっていきましょう。
小学生高学年・中学生以上にセックスを目撃された場合
子供が中学生以上の場合、セックスというものについて知っている可能性も。変に隠したり、否定したりしないこと
子供がこの年齢の場合、男女の間にはセックスというものがあることを、十分に知っている可能性があります。もちろん、その子の普段触れている情報、周囲の友人関係などにより、その辺の情報に詳しい場合と疎い場合があるでしょう。しかし、少なくとも赤ちゃんは「コウノトリが運んでくる」わけではないことは理解しています。
とはいえ、自分の両親がそのような生々しいセックスをするとは思っていない場合が多く、とにかく驚いてしまう。また、その光景がトラウマになり、両親にやや嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。
従って、子供の混乱、見られた自分たちの動揺が収まるまでちょっと待って、少し時間を置くのも効果があります。そして別のタイミングで、これをきっかけに親子で性に関して考える、家庭内での性教育の機会を持つことがおすすめです。わざとらしい言い訳をするよりも、男女の性行為についての正しい知識を与えることで、子供が見たものを自分で理解できる状況を作ることができます。
といっても、なかなか自分たちの口で性について説明するのは難しいもの。10代向けに性についてわかりやすく教えてくれる本などもありますので、そういったものもうまく活用しましょう。特にお子さんが中学生以上の場合は、性行為がだんだん身近なものとして迫ってくる世代ですし、正しい性教育は子供たちをさまざまなリスクから守ることにもつながります。
家庭の中で、性に関して話し合ったり、正直に相談できるような雰囲気を作れれば、とても望ましい環境ですね。大事なのは変に隠したり、否定したり、恥ずかしいことであるような雰囲気を作らないことです。
また、どんなに言葉で語るより、夫婦の愛情表現を普段から子供たちに見せることも大切です。パパとママが仲良しであることは、何よりも子供を安心させます。普段から両親が自然に手をつないだり、ハグしたり、キスしたりといったスキンシップを自然に行うことで、子供たちもそのうちに「夜の営み」が夫婦愛の形だと納得してくれるに違いありません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。