「○歳までに結婚したい――」。なにかと結婚の区切りを設けたがる女性に対し、男性からはあまりそういった声は聞こえません。多くの女性が妊娠・出産を見すえているのに比べて、ほとんどの男性陣はいたって悠長。そんな男性でも、結婚を意識する時期はあるのでしょうか? 今回は8年ぶりとなる恋愛指南書、『振り向いてくれない彼に1ミリも迫らないで恋に落とす本』を上梓したばかりの恋愛カウンセラー、ぐっどうぃる博士に詳しくお聞きしました。
ぐっどうぃる博士/恋愛カウンセラー・理学博士(生命科学)
アラサーになると、プロポーズを意識して女性はソワソワ。しかしそんなことおかまいなしで、武勇伝に自慢話、はたまた夢を熱く語ったりと、いくつになっても地に足がつかない男性たち。将来をどう考えているのか気になるけれど、ゼクハラはしたくない。うーん、モヤモヤ……!
ぐっどうぃる博士、男性は、“これくらいの年齢で結婚したい”と思うことはないのでしょうか?
男性の結婚観は、周りの男友だちや同僚に影響される
「結婚願望が強いごく一部の男性をのぞいて、〇歳までに結婚したいと考える男性は少ないと思います。
結婚の時期は、住んでいる地域や働いている職種も大きく影響してきます。公務員など安定した職業に就いていて、周りに結婚している男性がたくさんいれば、結婚を意識する時期も早いでしょう。しかし都会暮らしだったり、ITやマスコミなど、業界全体が晩婚の職種に就いている男性は必然的に結婚を意識する時期が遅くなります。基本的には彼が普段触れる職場の男性、男友だちが基準になっていると考えていいでしょう」。
男性は女性のように、年齢で結婚を意識することは少ないんですね。妊娠・出産のリミットがあまりない男性が、生物学的な年齢の制限が少ないことは理解していますが、もう少し女性の事情や気持ちも理解してほしい、と思ってしまいます。
なんの策もなく彼にプレッシャーを与えるのはダメ
結婚を意識していない彼に、「私、そろそろ30歳だよ……」と現実に目を向けさせたり、プレッシャーをかけたりするのは、やっぱりよくないですか?
「なんの策もなくプレッシャーをかけるのはおすすめしません。結婚のプレッシャーをかけることは彼を結婚に導くこともありますが、同時に別れにも導きます。彼と別れるのはいやで、でも絶対に結婚したいというなら、タイミングがくるまで気長に待つしかないし、一生独身でいる覚悟もしなくてはいけません。タイミングが来る直前まで、あなたは一切、結婚したいという気持ちを彼に気づかせてはいけません。“飲み屋に時計を置かない”(=終電や閉店時間を意識させない)ようなものですね」。
なるほど、いつまでも彼を夢見心地でいさせろということでしょうか。しかし、彼が“結婚を意識している”という状態も、少々危険だと博士はいいます。えっ、とてもいいことのような気がしますが……。
彼が結婚を意識する=結末が近い、という場合も
「結婚は大きな買い物に似ています。ネットなどで高い買い物をするとき、決済をする直前で、本当にこの商品でいいのかなと迷ったりしませんか? もう一度他の商品と比べたりしないでしょうか? たとえそれを買うことを決めたとしても、それが絶対に手に入る段階になると、人はそのネガティブな面をどうしても見ようとしてしまうのです。
結婚は、男女どちらにとっても、ある意味“もっとも高額な買い物”のひとつと言っていいでしょう。そのとき男性は、あなたに結婚相手としての価値があるのかをジャッジしようと、『無駄づかいが多い』『いつも部屋が散らかってる』なんて、シビアな目でみるようになってしまうのです。
その結果、男は結婚に向き合うと、とたんにきびしくなります。ですから口うるさく言われることが増えていたら、彼は何かを決断しようとしていると思ってください。ただ一方で、浮気相手がいる場合も、その浮気相手と比べて、厳しくなることもあるので、そのひとつだけで判断はできませんが」。
結婚のプレッシャーを普段から彼にかけることが、彼を冷めさせることはわかりました。では結婚したいなら、彼が結婚を覚悟するまで、ずっとがまんするしかないのでしょうか。
男性が結婚を意識する、“7つのスイッチ”とは
「男性には“7つのスイッチ”というものがあり、この多くをオンにすることができれば、男性は結婚を決意し始めます。まず4つのスイッチは、彼自身のタイミングによるものです。
彼自身のタイミング、4つのスイッチ
1つめは、彼が夢をかなえた、もしくはあきらめたとき。言い換えれば、彼の『こういう男になりたいという想い』と『実際の彼』が一致したとき。2つめが周りの環境。たとえば職場の同僚や友人など彼の周りの男性のほとんどが結婚しているとき。3つめは、収入が安定したとき。経済力がないと家族を養っていけませんからね。そして4つめが、彼の市場価値が下がったとき。モテなくなった、太った、ハゲた、花形部署から外された、合コンでおじさん扱いされる、などです」。
この4つは女性がコントロールできないスイッチなので、男性がオンになるタイミングを見計らうこと。
あなたの努力次第の3つのスイッチ
そして最終的な決め手となるのが、女性側の努力でオンにできる次の3つのスイッチ。
「1つめが、あなたの価値。“あなた以上の女性は二度と現れない”と思ったとき。2つめが、あなたの居心地のよさ。“この人と結婚したら幸せな結婚生活を送れそう”と思ったときです。3つめが恋愛感情で、あなたのことを大好きだと思ったとき。この3つめの恋愛感情は、ワイルドカードでもあり、すべてをひっくり返すくらいのパワーがありますが、難易度はかなり高いですね。先日お話した“フリー作戦”が効果的だったりします。
これらの“7つのスイッチ”がすべて入っている必要はなく、オンが多いほど、男性は結婚を覚悟します。また一方で、現在失業中など、ひとつのスイッチが“強烈にオフ”になっていることで、結婚を考えられないこともあります。ですからスイッチの存在を知り、4つのスイッチのタイミングを見計らいながら、あなた自身にできる3つのスイッチをオンにしていけば、結婚までの道のりはスムーズになります。
実は、7つのスイッチは結婚の覚悟をする土台にすぎません。この段階でも彼に結婚する覚悟はありません。多くの男性にとって結婚はなるべく今はしたくなく、未来に引き延ばしたいのです。
その土台である7つのスイッチの多くがオンになった時に、初めて結婚のプレッシャーをかけます。それでも覚悟をせず、『まだ結婚したくない』『もう少し考えさせて』と引き延ばす男性もいます。その場合、彼と本気で別れます。別れることで、そのようなモラトリアムな男性も『失いたくない!』と強く感じ、『結婚したい!』と覚悟するわけです。
7つのスイッチの多くがオンになったから結婚の土台ができ、プレッシャーや本気で離れることで、結婚の覚悟をするということです」。