新築の戸建てに古材やアンティークを組み合わせて。フードスタイリスト・つがねゆきこさんはDIYも楽しみながら、スタジオのような空間を彩る。
フードスタイリストとして活躍するつがねゆきこさん。4年前に建てた新築の一軒家は、仕事関係の人も多く訪れるため、1階のLDKをパブリックにも使えるようにと考えた。
「注文住宅なのですが、こちらのリクエストをたくさん聞いてもらい、わがままを叶えました」。
仕切りは設けずワンフロアのLDKに。水まわりも2階に配置して広々と取った空間は、ダイニングとリビングの間をレースのカーテンで仕切れるように。
「引き戸をつけようか悩んでいたとき、仕事で伺った写真スタジオで見かけたアイデアなんです。スタジオの白くて広い空間が好きで。どこかイメージソースになっていますね」。
ステンレスのアイランドキッチンに古材やアンティーク。古いものと新しいものがうまく調和したLDK。
ダイニングとリビングの間はレースのカーテンで仕切った。普段は開け放しているが、子どものお昼寝の時などに便利。「引き戸にしなくて正解でした」。
大きなステンレスのアイランドは、どうしても使いたかった食洗機を入れるために、業務用のメーカーにオーダーしたものだそう。
「お鍋もフライパンも全部入るし、乾燥も強力なんですよ」。
建築当初はキッチンの背面には、吊り戸棚を取り付けていた。
「重たい感じがしたので取り外してオープンシェルフに代えました。後から色々と手を加えるつもりだったので、キッチンまわりの壁には下地材を入れてもらっているんです」。
オープンシェルフの棚板には錆びた金具の取っ手がついていて、どうやら古材のよう。
「お気に入りのアンティーク家具屋さんがあって、そこの修復士さんに背面側のリノベーションをお願いしました。壁ももともとブルーに塗っていたのをグリーンに塗り替えてもらいました」。
壁の一部分だけにあしらったヘリンボーンの板は、修復士さんからすすめられたものなのだそう。
「私の好みをよく知ってくださっていて、ヘリンボーン張りのアンティークの板がある、と教えてくれたんです。珍しいのですぐに購入して、余った材でTV台をつくりました」。
「古い味のあるものが好き」というつがねさん。新築の新しくてきれいな雰囲気とどうなじませるかで頭を悩ませた。
「建具や床材、壁材などは用意された何パターンかの中から選んだのですが、ベースは主張のないシンプルなものにしました。そうしておくと、古材などを合わせたときになじんでくれると思うんです」。
アイランドキッチンは業務用厨房機器メーカーの北沢産業にオーダー。使い込むうちに味の出る、ツヤ消しのヘアライン仕上げに。
キッチンは、つがねさんの身長に合わせて高さを設定。側面にはお子さんの“やること”、”やったこと”マグネットが。
ドイツのASKOの食洗機がどうしても使いたかったもの。「お鍋、五徳、まな板、全部一度に入れられて大容量なんです」。
アンティーク家具の修復士さんに依頼した背面側。オープンシェルフにはアンティークの扉を棚板として渡している。IKEAのキャビネットは施工時からのもので、右側の引出し式ゴミ箱は、つがねさん考案で夫が初めてDIYで作ったもの。
ヘリンボーン状に張られていた古材の板を購入し、部屋のアクセントとして再生。
つがねさんのお仕事グッズ。器やキッチンツールをRIMOWAのスーツケースに詰めて出動。
作家ものやアンティークなど、自宅で使う食器類もたくさん保有している。
「玄関を入ってすぐのところに手洗いが欲しい、というのと、リビングに造り付けのカウンターテーブルを設けることもリクエストしました。後から変えられないところは、ゆずれませんでしたね」。
シンクは海外からの輸入ものをセレクト。リビングのテーブルに古材を渡し、古さをほどよくミックスした空間は、現在の使い勝手や、将来の住まい方も考えている。
「子どもたちが小さいうちは家族みんなでほとんどの時間を1階で過ごし、2階は寝るだけ。大きくなっても帰ってすぐ自分の部屋にこもるのではなく、必ずリビングを通って少しでも一緒の時間を過ごすというのが理想です。今は私のワークスペースにしているカウンターテーブルも、いずれは子どもたちが勉強する場所にしたいと思っているんです」。
リビングの一角に設けたワークスペース。いずれは子どもの勉強スペースにも。
玄関を入ったところもディスプレイスペースに。ドアも1枚1枚場所に合わせて選んだ。
家に帰ってすぐ手洗いができるよう玄関の近くに。TOTOの輸入もののシンクをセレクト。
階段下の収納スペースは扉を設けず、オープンに。濃いブルーをDIYで塗り、外出時に必要なものを置いている。