妻が生まれ育った場所に建てた一戸建て。旗竿敷地だったので、光がたっぷりと差し込む明るい西海岸スタイルの家を目指した。
富安朝海さんが生まれ育った土地に建てた一戸建て。
「キッチンの場所が、私の以前の部屋と同じ場所なんです。キッチンに立っていると不思議な感じがします」
旗竿敷地なので以前の建物は日当たりが悪かった。なので、新しく建てる家は、光をたっぷり差し込む明るい家にしたい、というのが希望だったそうだ。
キッチンには大きな天窓を設け、3階までの吹き抜けの階段室は、1階まで光が届く。ここが旗竿敷地だとは思えない気持ちのよい光と風が満ちている。
設計はHOUSE TRADにお願いした。
「打ち合わせにお伺いしたら、以前の勤務先で店舗の内装をお願いしたことがあったとわかりました。大まかな希望を伝えると、イメージ通りのものを作っていただいたので、お願いして良かったです」と良明さん。
「キッチンの天窓はこんな感じのものにしたいねと夫と話していたら、ズバリなイメージのものを提案していただいたのには驚きました」と朝海さん。
白の壁と木目に、1階はグレー、2階は淡いブルーをアクセントカラーに加え、モダンでシックなウェストコーストの家が完成した。
リビングはツヤ感のあるフローリング、キッチンはPタイルを採用。良明さん、朝海さん、3歳の凛ちゃん、1歳の紗々ちゃんの4人家族。ソファはHOUSE TRADのオリジナル。生地を外して洗えるので、小さい子どもがいる家庭でも安心。
アメリカンダイナーのようなダイニングテーブル。フィフティーズっぽいベンチシートが、コンパネにペイントした壁の味わいにしっくりとハマる。「時間が経つにつれてコンパネの地色が浮いてきて、どんどんいい味になってきました」
階段の手すりはエキスパンドメタル。「子どもが小さいので手すりにはネットが必要だと思っていたのですが、いっそのこと、最初からエキスパンドメタルにすればいいのでは?と考えを変えました」
ウッドのキャビネットの中にダイニングスペースがある。ソファのブルーとキッチンのタイルのブルーが、白とウッドの空間に映える。
大きな吹き抜けの天窓から明るい光が差し込むキッチン。カウンターは防水効果の高いモールテックスで仕上げている。釉薬のかかった淡いターコイズ・ブルーのタイルが美しい。
「階段に座るのが好き、と伝えると、キッチンとダイニングを2段の階段でゆるやかに空間をわけてくれました」
キャビネットの向こうには、ベンチシートのダイニングが隠れている。
「ベンチシートのダイニングも希望したもののひとつです。アメリカンな感じになりすぎない、イメージしていたものよりはるかにいい感じのものになりました」
ダイニングがキャビネットでゆるやかに目隠しされることで、ソファスペースがよりくつろげる空間になる。
「子どもがもう少し大きくなったら、ダイニングで宿題などをするようになるのかなと想像しています。なので、なるべく広いベンチシートにしてもらいました」
エキスパンドメタルを使い、アパレルショップのようなウォークインクローゼットを作った。「服が多いので、大きな収納はマストでした」
3階はメインベッドルーム。パシフィックファニチャーサービスのベッドを2台合わせてゆったりと。「ここを子供部屋にすることも考えて、将来的に壁で仕切ることができるようにしてもらいました」
1階のベッドルームには、ベンチシートとデスクを造作してもらった。
富安邸は、エキスパンドメタルを効果的に使っているのも特徴のひとつ。
子どもが小さなうちは階段からの落下を防ぐためにネットをはることが多いが、それならば最初からエキスパンドメタルにしようという発想の転換で、階段の手すりにエキスパンドメタルを採用。
そして、アパレル会社に勤めていた良明さんは服の量もかなり多い。ウォークインクローゼットは、扉にエキスパンドメタルを使ってショップ風にアレンジした。
1階のバスルームは白のメトロタイル、白のルーバーの扉を使い、大きな窓から差し込む光が白い空間に満ちてとても明るい。
1階のベッドルームを夫婦の寝室にして、3階を子供部屋にする計画もあるそうだ。
2階のベンチシートのダイニングスペースで子どもたちが勉強するようになると、リビングとキッチンの関係性も変わっていきそうだ。
子どもの成長とともに家がどんなふうに変わっていくのか、これから先が楽しみだ。
洗面所はメトロタイルを採用。ベッドルームへと回遊できる動線になっている。
1階のバスルームも気持ちの良い光がたっぷりと差し込む。洗面台はモールテックス。ルーバーの収納扉とドアには真鍮の把手を。
階段室は2階まで吹き抜けになっている。エキスパンドメタル越しに光が1階まで差し込む。
1階から2階の階段はカーペット敷き。白と木目+グレーの組み合わせが西海岸を感じさせる家にシックな落ち着きをプラス。