よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
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「なにこれ!」とか「こんなのあったの!?」と驚きとともに喜ばれる「サプライズスイーツ」をご紹介するこの連載。するこの連載。第18回目は、モンブランと大福がひとつになった、和洋折衷の新しい大福をご紹介します。
若い人にも喜ばれる秋の大福を作りたい!
今回は秋に食べたくなるサプライズスイーツをご紹介しますね。
秋のスイーツで好きなものを3つあげてください、と言われたら必ず1つは入ってくるであろう、あのスイーツ。そう、モンブラン。近年は洋栗のモンブランだけではなく、和栗のモンブランも相当増えています。
今回は和栗モンブランを使ったサプライズスイーツ! 見た目はモンブラン、だけど中身は……
なんと、大福!
そう、モンブランの中に大福が入ってるのです。その名も「モンブラン大福」。この大胆な構成、初めて出会う方多いのではないでしょうか?
このモンブラン大福を手がけたのは、徳島県・日の出楼さん。1852年創業という、老舗和菓子屋さんです。徳島にある金比羅神社の門前の餅屋さんからスタートしたお店だそう。
160年以上続く日の出楼さんが、モンブラン大福を発売したのは2010年ごろ。開発のきっかけは、新しい秋の大福を作りたいとの想いから。冬の大福だと苺大福のイメージがあるけれど、若い人にも食べてもらいたい秋の大福を作りたかった、と6代目の松村清一郎さん。
秋だと栗大福が定番ですが、見た目の地味さをカバーできるものを考えている時に、モンブラン大福を思い付いたそうです。言われてみると、モンブラン大福は栗大福でもありますが、一気に見た目にインパクトが出ますよね。何より、松村さんがモンブラン好きということもあったそう(笑)。
では、いったいどんな味なのかご紹介していきましょう。
和栗の風味を損なわないための工夫
構成は、白餡とクリームを包んだ大福を、和栗ペーストで覆っています。ひとくち食べた時の和栗のほっくり感、餅生地の柔らかさ、餡とクリームのなめらかさ、同時に訪れる幸福感がたまりません!
今回頂いたモンブラン大福に使っている和栗ペーストの栗は宮崎産。基本的には宮崎産の和栗を使用していますが、年によっては台風の影響などで変わることもあるそうです。
この和栗ペーストを絞るのは「小田巻(おだまき)」という道具。ざっくりとした小田巻のイメージとしては木の板に筒が乗っている感じ。和栗のモンブランを出しているお店では、何度か見たことがあります。
この小田巻でペーストを絞り出す際、硬さを調整するために、どの水分を使うのか悩んだそうです。洋菓子なら生クリームを合わせたりしますが、「栗の風味を薄めたくないから、生クリームや水飴などは使いたくなかったです」と松村さん。
そこで思い付いたのが、栗の甘露煮で栗が浸かっている「蜜」。栗の風味も蜜に溶け込んでいるので、いっしょに合わせることで栗の風味を損なうことなく絞ることができました。
当たり前のように食べているモンブランにも、こんな背景があると、また見方変わって愛着出ますよね。
そして、和栗ペースト以外にポイントは、大福の中に包む白餡にラム酒を風味ほどに使っていること。白餡を炊く際に、ラム酒を少し使ってラム酒餡にしています。お酒が得意じゃないぼくでも、何の問題無く食べられました。
モンブランはラム酒を合わせることが多いので、和菓子でこのテイストは面白いですね。和栗の素朴な甘さと、餡の大人っぽい甘さ、このコントラストもモンブラン大福の魅力のひとつ。ぼくも周りの人に色々食べてもらいましたが、口を揃えてみんな瞬間的に美味しい!と言っていました。
日の出楼さんでは他にも「さくらももいちご大福」や「濃茶モンブラン大福」などユニークな季節のお菓子がたくさんあります。老舗の和菓子屋さんを崩し過ぎないように、バランスを考えながら新しい挑戦をしています。
モンブラン大福も秋限定なので、ぜひお試しください!
ナイスィーツ!