「食べた後すぐに横になると牛になる」ということわざがありますよね。けれど逆に、消化吸収のために胃腸が活発に働いているので、食後すぐには体を動かさない方がいいとも言われます。一体どちらが正しいのでしょうか?
食べたものが脂肪になるメカニズムとは
ダイエットや健康のためには、食後に動いた方がよいのか、それともじっとしているべきなのか。明らかにするために、まずは食べたものが脂肪に変わるメカニズムを振り返ってみましょう。そこでキーワードとなるのが、血糖値。血液中に溶けた糖(ブドウ糖)の濃度を示す数値です。
食事をしてご飯やパンなどの糖質(炭水化物)を摂ると、体内でブドウ糖に分解されて血液中に入り、血糖値が上昇。するとインスリンが分泌され、糖をエネルギーとして筋肉や臓器などに送ることで、血糖値を正常に戻そうとします。一方で、使われなかった糖は脂肪として溜め込まれ、それが太る原因となるのです。特に、血糖値が急に上がってしまうとインスリンが多量に分泌され、余っている脂肪を溜め込む働きが加速するのだそう。そのため、食べるものや食べ方の順などに注意し、血糖値が急に上がらないようにすることが大事です。
脂肪の溜め込みを防ぐ方法
そしてもうひとつ、血糖値上昇への対策があります。それは、上がった血糖値を早めに下げることです。
食後30分~1時間ほど経つと、食べたものが消化吸収され、血糖値が上昇し始めます。その時間に合わせて体を動かすことで、糖をエネルギーとして消費でき、血糖値を下げられるのです。つまり、食後には体を動かした方がダイエットになります。
ただし、食べた直後に激しい運動をすると、消化不良を起こしてしまうことがあるので注意。最新の研究では、食後15分ほど間をあけてから体を動かすと、血糖値が上昇しすぎないよう抑えられる効果が高いと言われているそう。遅くても食後1時間以内には体を動かせるとよいでしょう。
体を動かすといっても、本格的な運動でなくても大丈夫です。ウォーキングや階段の昇り降り、ストレッチ、家事をするなど、日常生活の中でできる軽い運動でOK。時間の目安は20分程度です。
ちなみに、食後はゴロゴロしたくなってしまう…と言う人は、食事量が多すぎるのかもしれません。食べ過ぎてしまわないよう、腹八分目を心がけましょう。また、食べた直後に眠ると胃腸へ血液が届きにくくなり、消化不良を起こしてしまうそう。そうした意味でも、やはり食後には適度に動くことを意識した方がよさそうです。
「マイクロダイエット」のHPには、こうした健康やダイエットに役立つ知識がたくさん掲載されているので、そちらも参考にしてみてください。
photo / Shutterstock
サニーヘルス株式会社