次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
今回の失敗デート
某男性アイドルが好きな27歳女性です。ファンクラブに入り、コンサートのために地方遠征もしているのですが、付き合う前の男性にどこまで自分の趣味を打ち明けるべきかわりません。この前も気になる人とデートをして、趣味の話になったのですが「音楽鑑賞が好き」と無難なことしか言えず会話が終わってしまいました。
以前の記事「オタク趣味を打ち明けるべきか問題」では「今の時代、アニメ・マンガ趣味は普通だから打ち明けていい」とのことでしたが、「男性アイドルの追っかけ」の趣味は打ち明けてもいいのでしょうか。
ご質問誠に有難う御座います。
男性アイドルと彼氏は別物というご質問者さまのお気持ちはわかりますが、女性が自分以外の男性に夢中になっていたり応援していたりする姿を見て、喜ぶ男性はいないでしょう。
ですので、相手の男性から好かれたいのであれば「男性アイドルの追っかけ」という趣味は封印しておいたほうが無難です。
仮に話すにしても「〇〇さんの追っかけ」と言うのではなく「ライブに行くのが趣味」というように個人名を出さないなどの配慮をしたほうが良いでしょう。
ご質問者さまがアイドルと彼氏を分けて考えているのはわかります。
しかしご質問者さまがどれほど分けて考えていようとも、相手の男性からすればやはり完全に分けているようには見えないのです。
男性がどれほど「風俗と恋愛は別物」と言ったとしても、女性がそれを納得できないのと同じように、男性もアイドルを応援する女性に納得はできないのです。
「僕は気にならないよ」←こういう男はやめておけ
彼女が男性アイドルを応援していることに過剰に嫉妬する男性は確かに問題で御座いますが、逆にまったく嫉妬をしない男性も、それはそれで問題であると私は思います。
良好な人間関係を継続させるためには、ある程度の危機感がお互いにないといけません。
「あいつは俺のことが好きだから、絶対に浮気をしない」というような慢心を持ってしまうと、相手に対しての敬意が失われてしまうのです。
どれほど相手と親密になろうとも「もしかしたら相手は自分を嫌いになるかもしれない」という危機感が失われてしまったら、相手に対しての配慮や敬意が失われ、対応が雑になってしまうでしょう。
ですので、彼女が男性アイドルに熱を上げているのを見て、まったく嫉妬心を抱かない男性と付き合うことを私はオススメ致しません。過剰な嫉妬心は問題ですが、嫉妬心がまったくない男性もそれはそれで問題なのです。
また、彼女に対してまったく嫉妬心を抱かない男性は、彼女への愛情が皆無な可能性も極めて高いのです。
もしも私がご質問者さまのことをセフレにしようと思っていたら、ご質問者さまがどれほど男性アイドルに熱を上げていたとしても「いいよいいよ」と甘い言葉をかけるでしょう。
相手に興味がないからこそ、相手がほかの男性に熱を上げていても気にしない。
恋人として相手の女性のことが好きなのであれば、少なからず嫉妬をするものなのです。その嫉妬がない男性はもはや相手のことを愛しているとはいえません。
共通点を見つけ出せ
デートに限った話ではありませんが、盛り上がる会話というのは基本的に「共通点」がある会話で御座います。
「違う価値観を持っている相手と話すのは刺激的で面白い」というのは基本的に綺麗事だと思ったほうが良いでしょう。ほとんどの方は自分と違う価値観を持っている人と話すよりも、自分と似たような価値観を持っている人と話をするほうが楽しいのです。
「違う価値観を持っている相手と話すのは刺激的で面白い」という価値観を持っている人でさえ、所詮は「『違う価値観を持っている相手と話すのは刺激的で面白い』という同じ価値観を持っている人」との会話を楽しんでいるだけに過ぎません。
良いか悪いかは別にして、人間は同じような価値観を持っている人との会話が好きな生き物なのです。
ですので「男性アイドルの追っかけ」という話題は、嫉妬云々の話を抜きにしてもデートにふさわしい話題とはいえません。
男性アイドルの追っかけをしている男性はほぼ存在しないので、共通点がまず見つからないのです。