新型コロナウイルスの影響で、各地でマスクが品薄に……『ZIP!』にて、感染症の専門家がマスクより効果的な予防策を解説した。
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中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界保健機関(WHO)は30日に「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言。日本国内でもマスクを買い求める人が相次ぐなど、不安の色が濃くなっている。
そんな中、31日放送の『ZIP!』(日本テレビ系)にて、順天堂大学の感染制御科学教授・堀賢氏が、「マスクより効果的な予防法」について解説した。
■「アルコール消毒ゲル」が有効
感染予防について、番組MCの吉田沙保里が「マスクをしていたら安心ですか?」と問いかけると、「じつは、マスクってそれほど効果はないんです」と堀氏。
「大事なのは手指衛生といって手を洗うこと」であるとし、「今マスクがないっておっしゃってましたけど、アルコールのゲルというのが売っています。それで出先で色々なものに触ったらその都度手を洗って消毒する、それが1番効果があると思います」と解説した。
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■不安になりすぎないで
また、堀氏はこれまでの「SARS」や「MERS」などと比べると、感染者数に対する致死率が低いことにも着目し、「ウイルスによる致死というよりは、医療が行き届いていない、破綻している状況での致死率上昇ではないかと」と見ているという。
「十分に医療が受けられる環境であれば、不安になりすぎることはない?」との質問にも、堀氏は「そうですね、とくに国内では亡くなっている方ほとんどいらっしゃいませんので」とコメントした。
■病院へ直接来院は「やめて!」
また、万が一新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合には、医療機関側も受け入れ体制を整える必要があるため、堀氏は「まずは電話でご相談いただいて、受診するかどうか電話で決めたうえでご来院いただけたら」と訴えた。
現在、新型コロナウイルスに有効なワクチンはなく、治療法もほとんどないとされるが、万が一感染してしまった場合は、堀氏いわく「対処療法だけですけども、ご自宅でしっかり静養されることが重要」とのことだ。
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■食事前にも必ず手を洗おう
感染症対策として、「手指衛生」が最も重要であると訴えた堀氏。「マスクでの予防はそれほど効果がない」ということには、スタジオでも視聴者からも驚きの声が相次いだ。
ちなみに、しらべぇ編集部が以前、全国の20代~60代の男女1,363名を対象に実施した意識調査において、「食事前に手を洗う習慣がない」と回答した人は、全体でおよそ4人に1人に及んだ。
手先からウイルスを体内に入れてしまう危険が高まる食事どき。これまでは手を洗っていなかった人も、自分や家族、大切な人を守るという意味でも、手洗い・うがいを徹底してほしい。
(文/しらべぇ編集部・衣笠 あい)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2018年8月31日~2018年9月3日
対象:全国20代~60代の男女1,363名(有効回答数)