今の仕事にはやりがいを感じないけれど、他に何がしたいのか聞かれても、自分のやりたいことがわからない。そんな方は多いのではないでしょうか。今回はやりたいことがわからなくなる原因とそれを見つけるためのコツを、心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいました。
自分のやりたいことがわからないと悩む人は少なくありません。
今の仕事はやりがいが感じられない、けれど、他に何がしたいかと言われるとわからない……。そんな時は、悩んでしまうもの。
では、どうして自分のやりたいことがわからなくなってしまったのでしょうか。原因を紐解きながら、やりたいことを見つけるためのコツを紹介します。
やりたいことがわからない原因
まずは、やりたいことがわからなくなる原因を紐解いていきましょう。
(1)自分の感情を抑圧している
社会人になると、やるべきことが増えますよね。「仕事だから」という理由で、自分がやりたいかどうかよりも、「そうすべきだから」という理由でこなしていく。自分が楽しいと思うことよりも、周りから評価されることを優先的にやっていく。
そんなふうに自分の楽しい・嬉しい・ときめくというようなプラスの感情を抑圧している状態が続くと、感じる力が弱まって自分がどうしたいのかがわからなくなっていきます。
やりたいことはハートで感じるもの。「~すべき」といった思考優位の状態では、なかなか見つからないのです。
(2)「どうせ無理」「私にはできない」と思い過ぎている
やりたいことがないと言っている人でも、よく話を聞くと、実はやりたいことを持っている場合は案外多いです。なのに、なぜ「やりたいことがない」と思っているかというと、否定的な思い込みのせいです。
「これ、いいな!」とハートが反応するものを見つけても、「でも、難しそう」「私には無理な気がする」と、すぐに否定的に捉える癖があると、やる前から可能性の芽をつぶしてしまいます。
意識の上では却下しているので、本当は気になっていることがあるのに、「やりたいことがない」と感じるようになるのです。
(3)経験していない
上述したような感情的な抑圧や否定的な思い込みがない場合は、現状にはやりたいことがない可能性が高いです。
あなたのやりたいことは、まだ体験したことのないものの中にあるのかもしれません。
私たちは「こういう仕事は向いてない」とやる前からイメージで却下してしまうことも多いですが、情報として知っていることと、実際に体験してみてわかることには大きな差があります。「やってみたら案外面白かった」ということもあるかもしれません。
(4)最初のハードルを高く設定している
やりたいことを見つける、というと、ものすごくワクワクするようなものじゃないとダメだと思っていたりしないでしょうか。
今やりたい仕事をしている人たちでも、恐らく最初から大好きなことが見つかったという人はまれだと思います。
また、やりたいことが見つかっても、それでお金が稼げるか、必要なスキルがあるか、結果を出せるか等を考えすぎて、やる前から挫折してしまう人も多いです。そういう点でも、最初のハードルが高すぎると、やりたいことが見つかりにくくなってしまうようです。
(5)周りにモデルケースがない
周りの環境は自分に大きな影響を与えます。
もし、周りにやりたい仕事をしている人が誰もいなかった場合は、「やりたい仕事をして、楽しく過ごす」というイメージが湧きにくくなり、心理的なハードルがぐっと高くなります。
また、周囲に相談したとしても「やりたい仕事をするなんて無理に決まっている」など、ネガティブな反応が返ってくることもあるかもしれません。