ママやパパが子どもと一緒に楽しめる“おうち遊び”を毎週金曜日にご紹介している「VERYこども遊び研究所」。
今週は、井出武尊さんによるパパ遊びです。今回は、部屋を真っ暗にして影絵を楽しむ秋の夜長にぴったりの遊び。昼間に子どもと遊ぶ時間がとれないママやパパも、寝る前の時間でなら自然と触れ合えそう。寝かしつけもスムーズになりますね。
VERYこども遊び研究所 Vol.25 <今週のパパ遊び>
「アートな影絵で、寝る前の親子の時間」
仕事をしていると、子どもと過ごす時間って意外と少ない。
毎日少しでも“親子で遊ぶこと”は、子どもの発達・成長にとても大切。以前ご紹介した「毎日5分のじゃれつき遊び」はおすすめの一つですが、今度は夜寝る前のちょっとした時間の遊びの提案です。
今回やるのは影絵。昔から行われている遊びですが、少し現代風にアレンジをしてアートのようなユニークな造形を楽しみます。まずはご覧ください。とても短い動画です(音声はありません)。
これはすべて家庭によくある身近なものの影です。ライトに使っているのはスマートフォンのフラッシュライト。影は室内の壁に投影しています。つまり、とっても手軽にできちゃう遊びなんです。
ちなみに、位置関係はこんな感じ。
まるで、巨大な建築群の中を歩くような、あるいは太古の世界を探検するような、そんなふうに見えたりもします。影絵を見ながら、親子でストーリーを考えて遊ぶのも楽しいです。娘の様子を見ていると、まさにこの世界の住人になりきります。この影絵遊びをやると、いつも大体何かと戦っている…。
影は光源の位置で形や大きさが瞬時に変容するのも魅力の一つです。また、立体で存在しているものが、影という二次元に変換されるので、子どもたちにとっては馴染みのものが、まったく別のものになるようで、新鮮な驚きがあると思います。
これはつまり、視点を変えてみるという体験に近いものがあり、創造力を育むという点でもとても大切なことだと思います。
また、ドーム状のもの、筒状のものも楽しい装置になります。例えば、水切りザルやメッシュのカゴのような、光を透過するドーム状のものがあれば、その中にライトを入れてみてください。部屋全体に影が伸びて、自分たちも実際に影の世界に入り込むことができます。
最初の動画では、ちょっとしたセットを組んでいますが、寝る前に手軽に遊びたい時は、寝室にいくつかの日用品を持っていって、ゴロンと寝転がって行います。なかでも娘が大好きなのが、前述のザル。遠くにいるときはUFOに見立てて、近づいてきたら自分がとらわれた感じで、ごっこ遊びを楽しみます。僕も寝転がって、天井に投影したり壁に投影したり。
小さな子どもならば、「どんな形の影ができるかな?」という投げかけでもとっても楽しい遊びになります。
影絵は歴史のある遊びの一つです。懐中電灯の電気ではここまできれいに影は浮かび上がらないこともありますが、スマートフォンの普及のおかげで、家庭でも簡単に行えるようになったと思います。
この遊びは先に述べたように創造性を育むことにも役立ちます。また、例えば、大人になり地図を読むようになったとき“上から見たものの横から見た姿を想像する”といった、いわゆる空間認知の力も育まれるのではないかと思います。
何より、親子でたくさんの会話が生まれるのが楽しい。おなじみの手を使った影絵や、人形を用いるものなども織り交ぜて遊んでみてください。
寝かしつけで意外と大変なのは、まだまだ遊んでいたい子どもを寝室に連れて行くことだったりしませんか?この影絵あそびならば、遊ぶために寝室へ自然に行くことができます。部屋も暗くするので、おすすめです。
写真・文/井出武尊
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