【6】免疫には 2つある。
生活習慣など自力で活性できるのが自然免疫で、ワクチンで活性化するのが獲得免疫。協力し合って病気と闘います。
1.自然免疫…… 最前線部隊 さまざまな異物に反応。最初に会った相手にも素早く反応。だけど不安定。生活習慣、食習慣で活性。活性化すると病気に罹りにくい、治りやすい。たとえばNK細胞、マクロファージ。
2.獲得免疫 …… 戦闘部隊本部 特定の異物にのみ反応。生まれながらにあるけど、初めて出会った相手にはすぐに反応できない。学習して記憶する。二度目からは素早く反応。ワクチンで活性化。物忘れが起きない限り、その病気には二度と罹らない。たとえばT細胞、B細胞。
「風邪からがんまで、最前線であらゆる異物と闘っているのが自然免疫。ただし自然免疫は弱いので強敵には負けてしまいます。
〝戦況悪化〟が伝えられると戦闘部隊本部、獲得免疫が立ち上がります。獲得免疫は強いのですが、はしかならはしかの獲得免疫、インフルエンザならインフルエンザの獲得免疫と、担当する強敵がひとつに限られるのと、初対戦相手にはすぐに対応できないのがネック。
そこで、病気に罹る〝本番〟に備え、獲得免疫がいつでも起動するよう呼び覚ますのがワクチンということになります。
獲得免疫は異物を記憶するので、一度罹患するか、ワクチンを打っておけばすぐに対応でき、その病気に罹ることはもうない、ということになります」(竹田先生)
【7】自力で活性できるのは 自然免疫。
自然免疫の代表選手、NK細胞(Natural Killer Cell)。活性化すると風邪をひきにくい&治りやすい、がんや感染症にもなりにくい。
だから、自然免疫≒NK細胞を活性化して病気を防ごう!
「危険な病気と闘うエキスパートである獲得免疫が、一度病気に罹るかワクチンでしか活性化できない一方、さまざまな要因によって大きく影響を受ける自然免疫は自力=生活習慣で上げられます。
中でも血液中に存在するリンパ球の10 ~ 20%を占めるNK細胞(Natural Killer Cell)はその名の通り、生まれながらの殺し屋。日々の生活の中でNK細胞を活性化することで健康を守る土台を作ることは、非常にリーズナブルかつ有効というわけです」(竹田先生)
イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文/木村 まい