多くの女子たちが、金曜の夜を待ち焦がれるきっかけとなった大ヒットドラマ「40までにしたい10のこと」。STORY読者からは「母娘で楽しんでいました」との声も。BLドラマの枠を超えて幅広いファンを魅了した理由は、原作の良さや完成度の高い演出に加え、キャスト陣の圧倒的な存在感にもあります。なかでも、188センチの長身と端正な顔立ち、そして色気をまとった低音ボイスで多くの女子を”ノックアウト状態”にしたのが、庄司浩平さん。今、もっとも注目を集める若手俳優の一人です。そんな彼が、話題作に挑む上で心がけたこととは────。
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初めてのBLは、心にスッと入る作品だった
オーディション用の台本をもらったときにも感じたことですが、BL作品に対する難しさや違和感を感じなかったんです。役が決まって、原作を読んだ時もそう思いました。周りにBL好きな子はいたけれど、僕自身は触れてこなかった。BL漫画というジャンルなので、もちろん性的な描写もあるんですけど、作者のマミタ先生の画力が素晴らしく、アート感覚でスルッと読めました。台本自体は、現場からの意見を含めて何度か改編されています。ボーイズラブの話だし、オフィスラブでもあり年の差もある。いろんな要素が組み合わさるなかで、BLに親しみがない方にも人間ドラマとして見てもらえるように…そんな思いを込めて、本作と向き合いました。
新しい世界を見せてもらえた、風間さんとの共演
風間さんとの顔合わせ前に、実は舞台を観に行かせていただいたんです。イエズス会の宣教師・ルイス・フロイス役を演じられていました。その時代の宗教への迫害や犠牲の伴う救い、かなり重いテーマのなかで、風間さんの演技が凄すぎて…圧倒されました。現場に入ってからも圧巻でした。たとえシリアスなシーンでも、ギリギリまでリラックスした状態を保ってくださるスタンスが心地よかったです。きっと数えきれないくらいの現場をこなしている方だからですよね、いろんなアプローチの仕方を持っていらして。僕はあまりエンジンを直前までかけられないタイプだし、今はまだ演技の持久力をつけている段階。自分の至らなさを痛感しつつ、今まで見たことのない芝居の景色を風間さんや現場の皆さんに見せてもらえたことに感謝しかないです。風間さんとの思い出といえば…(笑)この作品は撮影中に思いがけない雨とか、天候に左右されたことも多くて、待ち時間が長いときは大概、熱いディズニートークが始まるんです。僕が何回か違う方向に持って行こうとしても、すぐに軌道修正されて(笑)。夢の国に繋がる動線が敷かれていましたね。ウォルトディズニーの歴史の授業が展開され、めちゃくちゃ感化されました…オリエンタルランドの株買っちゃうくらい!
日常の中にこういう瞬間があることを体感できるドラマに
“リアリティを感じるドラマにする”という一貫した方向性はありました。ボーイズラブの映像作品には、性的描写を含ませたり、とにかく原作に忠実に描いたり、それぞれの良さがあると思うのですが、今回はまた異なった視点。本当に日常の中にこういう瞬間があるというのを表現したかったし、感じてもらいたかった。恋愛って、マイノリティであることでも、オフィスラブであることでも、年の差であることでも、いろんな形があると思うんです。観る人それぞれに共感できるパーツがあって、どこかひとつでも心の琴線に触れたらいいなと。慶司役でいうなら、僕は常に彼の居場所を…身の置き所を感じながら演じていましたね。自分に似ている部分もあるけれど、恋愛でいうなら慶司の方が積極的かも。ただ、アグレッシブだけれど、繊細さも併せ持っている。ぱっと見同じ距離感にいるけれど、雀と慶司2人の持つ空気感が変化して、少しずつ色づいている感じを表現するのに難しさも感じました。心は近付いているけれど、あからさまに身を寄せ合うことはできないから…。視聴者の皆さんに慶司の恋心、感じ取ってもらえていたら嬉しいですね。
いつかは僕自身の力で強烈な印象を残せる存在に
今回驚くほど反響をいただき、これは本当に、現場の皆さんや応援してくださる視聴者の皆さんのおかげです。このドラマでは、確実に多くのことを学べました。それはもちろん、お芝居に関してもですが、現場での生き方も。全スタッフさんが僕の顔と名前を分かってくれて、出演シーンも格段に多い役柄を演じられました。風間さんが主演で、僕は共演とはいえ主演であることの偉大さと、実際の自分との距離というものも目の当たりにし、悔しさも感じました。監督が良かったと言ってくれたシーンも、自分の中では手応えがどれもなくて、結局風間さんにキャリーしてもらっているというのが往往にしてある。でもいつかは自分も…という気持ちは強いです。すごい芝居をする人たちの中で、「あいつ印象に残ったな」って思ってもらえるように。そのためにもいろんな経験をしたいし、いろんな芝居に触れてみたい。ちなみに将来的には、やっぱり僕はアメコミが好きで、本気でアベンジャーズにいたいって思っているんで!あれは40代から輝くヒーローですからね!自分がいい年になったときに、そういうところにいられたらと!とにかく今は、いろんなところに呼んでもらえるバイタリティのある自分になることが目標です!
庄司浩平さんprofile 東京都出身。オスカープロモーション所属。2020年に『魔進戦隊キラメイジャー』(キラメイシルバー役)で俳優デビュー。以降俳優・モデルを軸に多方面で活動。2025年『仮面ライダーガヴ』(仮面ライダーヴラム役)、ドラマ『40までにしたい10のこと』(田中慶司役)で注目を集める。現在『NHK俳句』にレギュラー出演中。10月28日に2nd写真集『庄司浩平写真集 だから、ぼくは』を発売予定。
ドラマ 「40までにしたい10のこと」
Lemino・U-NEXTで全話配信中!
@マミタ原作、同名漫画をドラマ化。主演 風間俊介 共演 庄司浩平 楽しくて、もどかしい、恋の始まりの物語。
衣装協力:ジャケット¥67,100パンツ¥42,900(ともにジャンピエール/アドナスト)シューズ¥45,100(ヨーク/HEMT PR)その他スタイリスト私物
撮影/佐藤俊斗 ヘア・メーク/Eita Stylist/平松正啓(Y’s C) 取材/竹永久美子
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