今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生の要求への自覚
今週のさそり座は、これだけは忘れてはいけないという最後の一線を改めて思い出していくような星回り。
それはまるで、鴨長明の『方丈記』の一節のよう。ひとの世の苦しみは、鴨長明が生きた鎌倉時代からまるで変わらず、今でも地震はくるし、年をとるほど身体のあちこちにガタが来る。だからと言って、そのたびごとに落ち込んでいたら、とても死ぬまでもたないでしょう。
どうしたって恋はしんどい。愛だなんだと言っているのも、キリストの昔からみんな苦しみにのたうち回っている人間ばかり。だから、誰かとどんなに親しく恋しい仲になっても、食いものが譲れなくなったらこの一文を思い出して、きっぱり別れてしまうといい。
それは単に恋の終わりである以上に、なにより生き死にの別れ道なのだから。生きていればこそ、ほかの誰かと交われる。おいしいご飯も食べられるし、ああ綺麗だなと思える光景にも出会える。とことん気が済むまでいのちを味わえる。今週のあなたもまた、自分なりの危機への向き合い方を再確認していくことになるはずです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
力強い私をこしらえる
今週のいて座は、解き放つだけの力をしかと蓄えていくような星回り。
「大木を伐るこしらへや霧の中」(西山泊雲)は、一読して、霧が冷たく流れる深山の静かな情景が浮かんでくる一句。晴れていれば、そこには山々を包む紅葉や、連山の峰々が見えていたのかもしれませんが、ここでは霧が深く立ち込めて一切の景を空白の中に隠してしまっています。
そこに立ち現れるのは、墨絵に描かれた一本の垂線のごとき大木のみであり、作者はその恐ろしいほどの存在感に逃げずに真っ向から立ち向かうつもりで対峙しているのでしょう。
大木を伐り倒すには、まずその存在の芯の部分をしかと受け止め、自分の芯と結びつけて捉えていかなければなりませんが、掲句からはそうした力強い呼吸が自然と伝わってくるかのようです。あなたもまた、いつも以上に自身の身体や生活習慣の乱れをただしていくことに集中していくといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
「現実」を粉砕する
今週のやぎ座は、クールに刺さるデザインから、ファンシーなパステルトーンへとインテリアが様変わりしていく室内のごとし。
それまで都会的で洗練されたトーンに自宅のインテリアを統一していた若夫婦が、子どもができた途端に、生活もインテリアも一挙に子ども中心になってしまう例はよく見られます。けれど、今週のやぎ座はそれを自分のためにやっていくことがテーマ。
欧米では子ども時代というのは一刻も早く過ぎ去るべき未熟で不完全な年月と考えられる一方で、日本では、人生でいちばん幸福な時代として昔から考えられてきました。しかしやぎ座の人たちというのはどちらかというと前者のような考え方で、結果としてそういう人生になっていると感じる人が多いのではないでしょうか。
今週のあなたは、おのずと自分の失われた子ども時代を取り戻していくことになるはず。その前触れとして最近ますます強まってきた興味関心や新たな趣味に弾みをつけるように、今週は一気に自分を子どもの王国へと促していくといいでしょう。