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[11/2〜11/8の運勢]11月1週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のかに座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

まなざしを研ぎ澄ます

今週のかに座は、すべてをフラットに見据えていこうとするような星回り。

平安時代以降のやまと絵に見られるような、天井を描かず、斜め上空から室内の登場人物や彼らが織りなす出来事をのぞき見ているかのように描く方法を「吹抜屋台技法」と呼ぶそう。この技法で描かれた絵巻物を右から左に見ていくと、視線が空間の中をフラットに水平移動していくのですが、こうしたパースペクティブのあり方こそが、日本の物語性を成立させていたのだということが分かってきます。

つまり始まりも終わりも曖昧で、どこからでも話を始められる。そこにはバーチャルとリアルとが混在しながら同じ平面に存在していて、富める者と貧しい者、生者と死者などが一緒になって踊っていく。それが日本的な「現世(うつしよ)」観であり、この場合の「うつ」は移動の「移」であり、写真の「写」であり、映像の「映」でもある訳です。

これは客観視とか俯瞰というのとも違っていて、この角度から見ていくとすごいものが見えるよ、という一種の「見立て」であり、俳句や和歌や盆栽や庭も、そこから生まれてきているのではないでしょうか。今週のあなたもまた、みずからの人生をたえず移ろい続ける絵巻物に見立てていくことで何らかの希望をひらいていくことができるはず。

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今週のしし座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

必死に手繰り寄せていく

今週のしし座は、何か誰かを重く受け止め、活かしていこうとするような星回り。

それはまるで「百方に借あるごとし秋の暮」(石塚友二)という句のよう。「百方(ひゃっぽう)に借あるごとし」とは、作者にかなりの、そしてあちこちで作ってきた借りがある上に、それがもうどうにも払いようがないほどに重いものであるという実感が込められているのでしょう。返すだけの宛てが見当たらない中でも、なんとか肚をきめて顔を上げた時の度胸が刻印されているように感じます。

そして「秋の暮」のような長い伝統の累積を背負う言葉も、使えばたちまち句が“俳句的”になるだけに、使う者の力量や実存が大いに問われていく訳ですが、掲句の場合は薄っぺらにならならないところでギリギリ踏みとどまれているのではないでしょうか。

それは一朝一夕の努力や、その場しのぎの立ち回りでなんとかなるものではなく、長い伝統を我が身で受け止め、さらに活かそうという覚悟がおのずと育っているのでなければ、とても無理な芸当のはず。今週のあなたもまた、新語の使用ではなく古語の新化(アップデート)ということを試みていくべし。

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今週のおとめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

通俗的“幸運”の相対化

今週のおとめ座は、“幸いなる偶然“に積極的に開かれていくような星回り。

世には不幸な偶然も多々ありますが、幸いなる偶然も少なからずあるもの。例えば、『平家物語』には、平清盛が伊勢の海から熊野へ向かう舟中に鱸(すずき)が踊り入ったという記述があります。この時、清盛はとっさに「かつて周の武王の船にも白魚が躍り入った」という話をしたそう。

鱸は成長するにつれ呼び名が変わる「出世魚」ですから、以後の出世を暗示する吉兆と受け取り、過去の偶然と自身のそれとを重ねてみせたのです。同じような偶然が二度繰り返されたという状況を言い換えれば、過去の出来事が現在に再生し、現在の出来事が過去へと回帰するといったような、円環的構造を持つ中で、現在の偶然のいたずらが必然へと深まっていったということ。

それはあたかも渚に繰り返し打ち寄せる波のような仕方で、<今ここ>のもつ無限の深みに触れる瞬間であったはず。今週のあなたもまた、自分という存在の輪郭が書き換わっていくいくような体験ができるかもしれません。

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今週のてんびん座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

日常性となつかしさ

今週のてんびん座は、何でもない日常に“何か”が差し込んでくるような星回り。

「夜寒さの買物に行く近所かな」を詠んだのは、夏目漱石の弟子の一人で、幻想的な小説や独特の筆致で知られた内田百閒。この頃の普段着はみんな和服でしたから、買い物に行くにも、和服で素足に下駄をつっかけただけの姿だったかもしれません。

煙草なのか薬なのか。いずれにせよ、ほんの近所まで出るだけという意識のゆるみが、胸元や袖口あたりから入る夜風が思いがけず身にしみて、季節の確実な移りゆきが実感されたのでしょう。

日常の様子を軽く詠んでいるからこそ、日常がいつの間にかすっかり別物に変わってしまっている怖さのようなものが、妙になまなましく伝わってくるように感じられます。今週のあなたもまた、そうと意識せずともおのずからリスクや危機の根の方へと足が延びていきそうです。

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