ドイツのパンはハードで風味豊か
ドイツパンには、ライ麦やカラス麦、大麦など様々な穀物を使ったものがよく見られます。一般的に日本で食べられるパンと比べると外皮が非常に硬く焼き上げられ、香ばしい風味とたくさんの穀物の風味が豊かなのが大きな魅力でしょう。
また、パンの形や味わいが多様なのもドイツパンの特徴で、小型パンなども含めると1500種類以上のパンがあるんだとか。見た目にも可愛らしいものが多く、家ではなかなか作れないと思われるかもしれません。しかし、作ってみると意外と簡単にできるんですよ。
1.プレッツェル(ブレッツェル)
ドイツのパンとして最も有名なパンの1つ、プレッツェル。ドイツ語ではブレッツェルが本来の発音ですが、日本ではプレッツェルとも呼ばれていますね。パンを形成した後、水酸化ナトリウムにくぐらせてから焼くため独特の風味が付き、「ラウゲン(アルカリ溶液)ブレーツェル」とも呼ばれます。
材料や手順が難しいと思われがちですが、水酸化ナトリウムの代わりに重曹(炭酸水素ナトリウム)を使えば、より安全に、身近な材料でプレッツェルを作ることができます。こねるのは大変ですが、きちんと手順を踏めば本場ドイツに近いプレッツェルになりますよ。
2.カイザーゼンメル
カイザーゼンメルはカイザーロール、カイザーブレートヒェンともいう、ドイツ語圏のオーストリア発祥のパンです。特徴は、パンの表面に星のような切れ目が入っていること。切れ目を入れてそのまま焼くこともあれば、ポピーシードやゴマを付けることもあります。
ドイツではそのまま食べたり、ハムやバター、レバーケーゼ(ドイツ風ミートローフ)を挟んで食べることも。朝食やちょっとしたおやつにぴったりな、見た目も可愛らしいパンです。
3.ライ麦パン
ライ麦を使ったパンは世界中にありますが、ドイツでよく食べられているものの1つに「サワー種」を使った酸味のあるパンがあります。ライ麦の配合はさまざまで、数%しか使わないパンもあれば、100%使った真っ黒なパンも。小麦よりもビタミンや食物繊維が豊富で、比較的ヘルシーに食べられるパンなんですよ。
ここでご紹介するのは、小麦粉主体でライ麦を混ぜたライ麦パンです。ライ麦100%だとクセもあるため、初めはこのくらいの割合がよいでしょう。しかし味わいは本格的で、酸味もあり、どっしりとした食べ応えも十分。クリームチーズやスモークサーモンとの相性は抜群です。
4.ツヴィーベルクーヘン
ドイツの秋の味覚、ツヴィーベルクーヘン。発酵途中の甘味の強いワイン「フェダーヴァイサー」と一緒によく供される、たまねぎのキッシュのようなものです。日本なら甘口の白ワインや赤ワインでも美味しくいただけますよ。
形は丸でも四角でもOK。玉ねぎをあめ色になるまでベーコンとともに炒め、サワークリームのフィリングにして焼き上げます。香ばしい生地とクリーミーでコクたっぷりのフィリングの組み合わせは、次から次へと手が伸びてしまう美味しさですよ。
5.シュトレン(シュトーレン)
ドイツではクリスマスがやってくるのを待つ間に数週間かけて食べられるシュトレン。ラム酒付けのドライフルーツやマジパン(アーモンドや砂糖を練ってペースト状にしたもの)を入れて焼くことが多く、たっぷりと粉糖がかけられます。雪をかぶったような姿が可愛らしいパンです。
マジパンは好き嫌いもあるので、入れても入れなくても大丈夫。大切なのはドライフルーツがしっかりラム酒に漬かっているかということです。ラム酒に漬かったものを使うことで、はるかに風味がよくなり、保存も効くようになりますよ。