ワークライフバランスが叫ばれる昨今、短時間で効率良く仕事をこなす能力が重要。もっと仕事の能力を上げたい、そして次のステージにステップアップしたい。そんな自分になるために実践したい、簡単12メソッドをご紹介!
数字をクリアすることが、やる気や実力を育みます。
残業して頑張ることが良しとされたのは過去のこと。今は限られた就業時間の中できちんと結果を出せる人が評価される世の中。ダラダラと労働しないよう、タイムマネジメントできる自分になるにはどうしたらいいのでしょう?
「仕事をマクロで見る目線を持つことが大事です。目先の忙しさにとらわれてしまうと、本当の意味での仕事の優先順位を見誤ることも多い。自分に任された仕事だけでなく、チームや部など全体が目指すところを考えると、これまでとは違う角度で仕事を見られるようになりますよ」 と言うのは、働き方コンサルタントの池田千恵さん。広い視野で仕事を見ること、そして仕事を“数字”に置き換えることが、“仕事をする自分、バージョンアップ”に繋がる、と分析します。
「仕事って、頑張ったり努力をしたりする割に、実力がどの程度上がっているのか、非常にわかりづらい。人間は達成感を得て初めて、成長を実感できるもの。目標を数値化すると、達成できたかどうかはもちろん、目標が何%クリアできているかなどが、目で見てわかるようになる。なのでまずは、仕事のメドや目標を、時間や数量といった“数字”に置き換えてみることから始めましょう」
【仕事のタイムマネジメント力を上げる12のメソッド】
出かける準備中、30分間スマホをオフにする。
【始動が早くなる】
朝の準備時間は常にバタバタで、少しでも油断すると出発が遅くなる。「そんな中でのスマホは鬼門。気がつくと10分、20分あっという間に経ってしまいます。メールや気になるサイトのチェックは通勤時間中にやればいいこと。スマホに触らない時間を30分作ることで、準備に集中でき、忘れ物などもなくなります」
出社前、あえて1つ用事を作り、通常より早く家を出る。
【遅刻しない体質になる】
朝、常にギリギリになってしまう人は、例えば朝ごはんを外で食べるなど、会社に行く前に外で1つ用事を作ってみる。「楽しい予定を作ることで、早起きが苦でなくなります。その結果、余裕を持って会社に行けるように。一般的に朝早く来ている人は、“仕事ができる人”なイメージを抱かれやすい。そういう意味でも得です」
仕事を始める前に、その日の退社時刻を決める。
【集中力が磨かれる】
仕事の後に約束があると、何が何でもその時間までに仕事を終わらせる努力をしますが、何も予定がないと、ついダラダラ仕事をしてしまいがち。「“終わったら帰ろう”はダメ。毎日自主的に“終業デッドライン”を決め、その時刻に退社するためにはどうすればいいか、逆算して仕事を組み立てる思考回路に切り替えましょう」
あらゆる目標を数値化する。
【進行を把握する力がつく】
人は何か目標があると頑張れるもの。それは仕事においても同じこと。「今日の目標、今週の目標というように、常に何か目標を立て、それを常に数字で考えましょう。到達度を把握しやすくなりますし、もし達成できなかった場合でも、あとどのくらいで達成できたかがすぐわかるので、次の仕事に活かせます」
緊急か、重要か。スケジュールを4つに色分けして整理する。
【仕事の優先順位がクリアに】
仕事のタスク、何から手を付けるかは、4つに色分けをして考える。「ベクトルは緊急か緊急でないか、そして重要か重要でないか。例えば、打ち合わせなど“緊急で重要なもの”は赤、新規顧客リスト作成といった“緊急ではないけれど重要なもの”は緑というように、色で分けてみると、何から手を付けるべきかが明確に」
デイリーなタスクにかかる時間を計ってみる。
【自分の仕事速度&こなせる量を把握できる】
例えば朝のメールチェックなど、毎日、あるいはよくやる仕事にかかる時間を計ってみると、些末な作業でも、意外と自分が思っているより多くの時間を費やしていることがわかる。「人は自分の作業時間を短く見積もりがち。仕事の速度とこなせる量を把握することで、安請け合いからの“うっかり残業”的な事故を防げます」
思いついたアイデアややりたいことを、常にまとめておく。
【突然のチャンスをモノにできる】
仕事でこんなことをやってみたい、実現できたらいいな、と思う企画やアイデアは、メモ程度でもいいので、常にリスト化しておくことが大事。「ステップアップのタイミングはいつ来るかわかりません。“何かいいアイデアない?”と言われたとき、すでにリストがあれば、サッと提案ができる上、やる気も買ってもらえます」
添付ファイルのDLとメール返信は、即座にやる。
【先方からの印象が格段に上がる】
マクロで見て考える仕事の優先順位とは別に、単純作業は後回しにせず、反射神経的にすぐ済ませるクセをつける。「データを拝受した報告、簡単なお礼など、“考えなくてもできる返信”は、メールを受けたらすぐ済ませる。また添付ファイルも受け取ったらすぐダウンロード。“仕事ができる人”の印象を持ってもらえます」
企画書や資料は、2段階上の上司に向けて作成する。
【仕事の決裁が早くなる】
一人の上司が見たあと、さらにその上の上司のチェックを必要とする書類や企画書の場合、全員が読みやすい内容にまとめることで、かかる時間を短くできる。「直属の上司はもちろん、その上の人が何を求めているかまで想像すると、上までスムーズに通る書類が作れます。会社勤め時代、私は常にこれを心がけていました」
日々のルーティンや自分ルールを、月に1度見直す。
【時間のロスが一定以上に増えない】
いつもやっている仕事ほど、改めて見直すと無駄な部分が浮かび上がってくる。「例えば会議で、前回のおさらいに使う時間がある場合、それぞれが確認してくることで省くことが可能。あるいは“これがやりやすい”と決めたルールも、もっと短時間でできる道が見つかる場合も。惰性になりがちなことほど、定期的に見直しを」
月間の予定を見て余裕ができそうな日は早めにブロック。
【メリハリのある働き方が実現できる】
メリハリをつけて働くためには、“余白のある時間”を持つことも大切。「週間とは別に、月間の予定表に主な予定を書き込むと、あまり忙しくない日が見えてくるので、その日を先に赤で囲み、そこにはなるべく予定を入れないようにしてみる。自由な日があると思うとそれだけでワクワクし、仕事を頑張れるものです」
何事もすぐに決断するクセをつける。
【決断が速くなり、精度も上がる】
仕事が長引く原因の一つに、優柔不断があると池田さん。「決めることを先送りにしていると、いつまでたっても終わらない。まずは小さなことから、すぐに決める、というクセづけを。たとえその決断が間違いでも決断するという力は確実につきますし、積み重ねれば判断力自体の精度も向上。仕事にかかる時間も短縮できます」