水彩画のような、やわらかな色合いに引き込まれるインテリアアイテムを見つけました。なんと、陶磁器に草木染めで色を施したという器「KUSAKI(くさき)」のシリーズです。植物のやさしさ、力強さ、そして美しさがにじみ出たプロダクトをご紹介します。
草木染めに使われる植物で色付けした器のシリーズ
色合いや濃さ、色のグラデーションがそれぞれ異なるこちらの器が、「KUSAKI(くさき)」シリーズです。特殊な陶土を使い、草木染めに用いられる植物を使って色を施しています。
例えば、上の器の中でも特に目を引く深いピンク色は、マメ科の小高木「蘇芳(すおう)」を使用して色付けしたもの。 その下の淡いグレーは、ウルシ科の落葉高木「ヌルデ」にできた虫こぶから作られた染料を使っています。
やさしく繊細な印象でも、どこか力強さもあり、まさに植物の息吹を感じられるような器です。
有田焼に関わる3社が協力してできた新しい器
このシリーズを作り出しているのは、有田焼や伊万里焼を手掛ける「瀬兵窯」です。もともとは同じクオリティの器を量産することに軸をおいていましたが、それとはまた違った趣きのある焼き物を作りたいという思いを抱いていたそう。
その思いに共感し、協力を申し出たのが、有田焼の企画販売会社「ヤマト陶磁器」と、デザインスタジオ「TAKT PROJECT」です。
これまで瀬兵窯で使われていなかった素材をヤマト陶磁器が提案し、TAKT PROJECTが草木染めのアイデアを出すなどして、3社で話し合いながら新しい器の形やデザインを決めていきました。そして、約3年という長い歳月をかけ、何度も試作を重ねて完成させたのが、こちらの陶磁器「KUSAKI」なのです。
小物を美しく見せてくれるトレー
それでは、KUSAKIシリーズのプロダクトをご紹介します。
ひとつめは、9cm角のシンプルな「Mini tray」。表面の1/3ほどに入ったニュアンスカラーは、上に置くものをより美しく見せてくれそう。ピアスや指輪といった小さなアクセサリーなどを置いて、見せる収納を楽しみたいトレーです。
Mini tray 2,200円(税抜)
大切なものをしまいたくなる器
底から側面を覆う色が印象的なこちらの器は、「Container」です。直径10cmで深さは5cmほどあり、こちらもブローチなどのアクセサリーや小物を収納するのにちょうどよいサイズ。蓋付きのタイプもあり、失くしたくない大切なものをしまうのにぴったりです。いくつかを重ね置きすることもできるので、複数揃えて使ってみてもいいですね。
Container 2,800円(税抜)
Container with lid 3,600円(税抜)
植物と馴染みつつ引き立て合うフラワーベース
こちらは、一輪挿しの「Flower Vase」。ほっそりしたスタイリッシュな形ですが、口の部分に施された色に温かみが感じられます。似た色味の花を生ければ、花から色がにじみ出て染まったかのような不思議な雰囲気が楽しめそう。異なる色味の花なら、きっと互いを引き立て合ってくれますよ。S・M・Lの3種類の高さがあるので、違うサイズをいくつか並べれば、花を挿していない状態でもインテリアのアクセントになりそうです。
Flower Vase_S 3,000円・M 4,500円・L 6,000円 ※すべて税抜
ご紹介したKUSAKIのシリーズは、ヤマト陶磁器株式会社のオンラインショップで購入することができます。今後は単色ではなく2色がミックスされたウォールプレートも販売予定だそう。気になる方はホームページやSNSで最新情報をチェックしてくださいね。
草木染めならではの色合いや微妙なにじみ具合いが美しいインテリアアイテム。ぜひあなたの暮らしにも取り入れてみてはいかがでしょうか?
photo / KUSAKI
ヤマト陶磁器 株式会社
佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169