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[5/17〜5/23の運勢]5月4週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のかに座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

ささやかながら

今週のかに座は、おいしいものを食べるのだ。

美食や食通というと、つい糖尿病や短命のイメージがついてまわりますが、18世紀に生まれフランス料理を食べ尽くし、『美味礼賛』という食味文学の白眉を残したブリア=サヴァランは、70歳を超えて生きた当時にしては長寿の人。これは食味文学の傑作が書かれるには、料理そのものにも長い歴史が必要なのと同様、長生きをしなければならないということを暗に示しています。

そして、『味覚の生理学』という原題をもち、当時の科学知識を縦横に活用しつつも、どんな読者にもわかりやすい簡潔な名文で書かれた『美味礼賛』には、そうした真の食通となるための食味の心得が書かれています。

「グルマンディーズ(美食愛)とは、特に味覚を喜ばすものを情熱的に理知的にまた常習的に愛する心である。グルマンディーズは暴飲暴食の敵である。(中略)どういう角度から見ても、グルマンディーズというものは賞賛と奨励とに値する。」あなたもまた、そんなグルマンディーズを宿して肉体的、そして精神的な健康に邁進していくべし。

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今週のしし座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

わたしがわたしであるために

今週のしし座は、「さくらんぼ目をぱっちりと開けて食む」(小野あらた)という句のごとし。すなわち、かわいいは正義。

狙ってやっているにしろ、無意識でたまたまそうなっているにしろ、確かに「さくらんぼ」ってやつは、こんな風にして食べたくなるものだ。パフェか何かの上にのっている、世界にたったひとつのさくらんぼ。

その特別さっていうのは、自分が今いちばん好きな人であったり、宝物のようにたまに思い出しては反芻する思い出であったりのそれに似ている。

でも、そういう特別な何かをただ食べるだけではかわいくない。「目をぱっちりと開けて」という態度と、「食む」という俳句らしい表現がそろうことによって、一個の特別な作品になるのであって、そうやって特別な何かを大切にしていく感覚が愛おしくてたまらないんだろうな、この作者は。まあでも確かに。いいよね、そういうのって。

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今週のおとめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

早乙女と渦巻き

今週のおとめ座は、健全なおおらかさを取り戻そうとしていくような星回り。

1950年代に連載された「年よりたち」を一冊の本にまとめた民俗学者・宮本常一の『忘れられた日本人』には、共同体の大きな紐帯をなしていた女性の役割、特に彼女たちの世間話から笑い話が生まれてくる過程について述べられています。作物の生産と、人間の生殖を連想する風は昔からあったとのことですが、田植えの時の女たちの話にはそういうものが特に多かったそう。

宮本も「早乙女の中に若い女のいるときは話が初夜の事になる場合が多い」と書いており、重要なのは次の箇所。「そしてこうした話を通して男たちへの批判力を獲得したのである。エロ話の上手な女の多くが愛夫家であるのがおもしろい。女たちのエロばなしの明るい世界は女たちが幸福である事を意味している。(中略)女たちのはなしをきいていてエロ話がいけないのではなく、エロ話をゆがめている何ものかがいけないのだとしみじみ思うのである。」

あなたもまた、自分や周囲の人間が幸福でいられるために解除していくべき「ゆがみ」とは何だろうかということを、よく考えてみるといいでしょう。

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今週のてんびん座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

トランクから猫

今週のてんびん座は、“たましいの風通し”ということを気遣っていくような星回り。

「緑陰やトランク開けば市となる」(望月とし江)は、緑陰とトランクの取り合わせの妙が光る一句。「緑陰(りょくいん)」は夏の季語で、夏の日差しのもとよく繁った樹の陰のこと。そこで読書をしたり、昼寝をしたり、敷物を広げてちょっとした食事を誰かと共にするのも楽しい。

掲句の「緑陰」も、森や林の奥まったところにある静かな木陰というより、街角や公園で喧噪の隣りにあるような、ちょっとした木陰なのでしょう。「涼しさ」という感覚は、そういう場所でこそかえって際立つものです。そこでひとつのトランクが開かれることによって、緑陰はプライベートな領域として閉じられるのではなく、逆に市(マーケット)として道行く人へと開かれ、そこに南風が吹き抜けていく。

これはある種の逆説表現なのではないでしょうか。高温多湿や強烈な日差しなど夏の自然がもたらす脅威に対し、おのれを閉じて頑なに守とうとするのではなく、柔軟に開いて他者から観察ないし意見されやすい状況を作っていくことで、むしろ救われていく。あなたも、心の奥深くでほこりをかぶったトランクを思いがけず開いていくことになるかも知れません。

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