「眠りが浅くて日中眠い」「夜なかなか寝つけない」そんな悩みのある方は、「不眠」といえるかもしれません。日本では5人に1人が不眠に悩んでいるとされ、とくに20~30代以降の女性に多いといわれます。そこで今回は、不眠のセルフチェック方法と対策を、あんしん漢方の薬剤師・竹田由子さんに伺いました。
不眠で食欲増進?生活習慣病のリスクに
不眠は自律神経やホルモン分泌にも影響しますが、通常は睡眠中に分泌される「食欲を抑えるホルモン」も、同様に抑えてしまいます。そのため、たった2日間の睡眠不足でも、食欲が増大するといわれています。
その他、次のような生活習慣病リスクにつながることがあります。
<不眠によって増えるリスク>
・肥満
・高血圧
・糖尿病
・うつ病
・冠動脈疾患
こうしたリスクを避けるためにも、不眠にはしっかりと対策が必要です。
不眠をセルフチェックしよう
まずは、あなたが不眠かどうか、簡単にチェックしていきましょう。
不眠タイプは4つ!あなたはどのタイプ?
不眠は大きく分けて4つのタイプがあり、人によっては複合しています。
1.入眠障害
……なかなか眠れないタイプ(30分~1時間以上寝つけない)
2.中途覚醒
……夜中に何度も目が覚めるタイプ
3.早朝覚醒
……起床時間の2時間以上前に目が覚め、そのあと眠れないタイプ
4.熟眠障害
……眠りが浅く、熟睡した感じがなく寝たりないと感じるタイプ
なお、いびきを家族から指摘される場合は別の病気も考えられますので、耳鼻科の受診をおすすめします。
「アテネ不眠尺度」でセルフチェック
アテネ不眠尺度という世界共通の不眠症チェックリストでは、8つの質問で不眠の度合を測定します。過去1か月間の睡眠の状態をチェックしましょう。
各問ごとに、以下4つの選択肢から、少なくとも週3回以上該当するものを選びます。
0点 該当しない
1点 少し該当する
2点 かなり該当する
3点 非常に該当するor全く眠れなかった
8問すべての合計点で、不眠かどうか以下のチェック表から見ていきましょう。
<不眠チェックリスト>
Q1.就寝時、入眠まで時間がかかるか
Q2.夜間、途中に目が覚めることはあるか
Q3.起きたい時間より早く目覚め、それ以上眠れなかったか
Q4.睡眠時間の不足を感じるか
Q5.睡眠の質に不満があるか
Q6.日中、気分がめいったか
Q7.日中、活動の低下を感じたか
Q8.日中、眠気を感じたか
いかがでしたか? 合計4点以上だった方は不眠症疑い、合計6点以上であれば医師に相談することをおすすめします。
不眠の対策方法3つのポイント
眠りの質を高めるには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
1. リラックスした状態をつくる
2. 睡眠3時間前に脳温度をアップさせる
3. 体内時計を整える
それぞれ、詳しい方法をご紹介していきます。
1. リラックスした状態を作る
<おすすめの方法>
・心地よいリズムの「1/f ゆらぎ音楽」を寝る時に聞く
・38~40度のお風呂で半身浴でリラックス
睡眠前に音楽や半身浴でリラックスする時間をつくると、自律神経が整い睡眠の質が上がります。カフェインや飲酒などは逆に脳を興奮させてしまうため、避けるようにしましょう。