リモートワークや自粛生活が続く中、娯楽費は減ってもせめて食事はおいしいものを、ということで特にエンゲル係数が上がっているという家計もあるのではないでしょうか?
家計のエンゲル係数は一度上げると下げるのはなかなか難しいものです。無理なくエンゲル係数を抑えるにはどうすればいいでしょうか?
家計で見落としがちな「変動費」はいまどれくらいある?
「家計の見直し」というと、通信費や光熱費、保険料など毎月決まった金額が出ていく「固定費」の見直しに目が行きがちですが、食費や宅配で頼むちょっとした日用品などいわゆる「変動費」の増加にも要注意です。
コロナ禍で収入が変わっていない、旅行やレジャー、外食費は減っているのに家計収支にあまり変化がない、という場合は家計の構造が変わっている可能性があるのでチェックが必要といえるでしょう。
まずは、食費、光熱費、通信費、レジャー費、外食費、被服費など費目ごとにどのくらいお金を使っているか、家計の現状を把握してみてください。食費は、食材費、お取り寄せ、宅配サービスなど項目別に、光熱費も電気代・ガス代・水道代など項目別にしておくと、どの費用が増加しているのかがわかりやすですね。
家計簿を付けるのは苦手、という人はレシートを取っておいて、1~2週間ごとに集計するだけでも、お金の使い方の傾向がわかるので、改善点を見つけやすくなります。
コロナ禍でのエンゲル係数の増加には要注意
コロナ禍での食費について、「外食が減ったので、その分食材の質を上げた」「ずっと食事を作るのが大変なので、総菜を利用する回数が増えた」「外食代わりに宅配を頼む回数が増えた」など、総菜や食事のデリバリー代といった支出が増加しているとよく聞きます。
減った「外食費」の代わり、減った「レジャー費」の代わりというのであれば、もちろんトータルでは変わらないので全く問題ありません。しかし膨れ上がったエンゲル係数を元に戻すのは特に難しいものです。
コロナ禍が収息し、旅行やレジャー費などが元に戻れば、その分、コロナ前よりも家計支出が恒常的に増加することにつながりかねません。短い期間であれば問題ありませんが、ちょっとの赤字もそれが慢性化すれば大赤字となるので、注意が必要ですね。
食費を効果的に節約するには?
冷蔵庫の食材を書き出して、週間の献立をメモ!
高いものを買わないようにする、余計なものを買わないようにする、というように何かを我慢することから来る節約はストレスがたまるのであまり長続きしません。
特に最近では、買物に行く回数を減らしたり、生協などの宅配サービス利用したために、つい多めに買ってしまい、結局使い切らずに食材をムダにしてしまう、というケースもありがちです。
そんな場合には、以下の4つの手順に沿って1週間ごとの献立・買い物計画を立てることをお勧めします。
(1)冷蔵庫の食材を書き出す
(2)同時にその食材を利用した1週間分の献立を作る
(3)不足する食材と量をメモ書きする
(4)メモを持って、必要な食材と量を明確にして買い物に行く
最初は面倒に感じるかもしれませんが、メモの通りにそろえることが目的となり、無理せず短時間で余分なものを買わずに買い物を済ませることができます。
ちなみに、冷蔵庫の中身をいちいち把握していない、という方は冷蔵庫の近くに小さいホワイトボードを置いておき、中にある食材を書いておき、使ったら消す、という管理法もありますし、書くのが面倒、という場合にはあらかじめマグネットシートで主な食材シールを作っておき、張る、剥がす、というのでもいいでしょう。冷蔵庫を開けなくても一目で中の食材を把握できます。
変動費の管理には予算分けが効果的
変動費を抑えてうまくコントロールするためには、あらかじめ費用項目ごとに予算分けをして、その範囲内でやりくりすることをお勧めします。たとえば、食費、レジャー、旅行、趣味・教養、被服、日用品、化粧代、貯蓄、投資…などです。
その上で、たとえば現在のように外食費が減っている場合には、その減った分を宅配サービスに振り分ける、あるいはレジャー費が減った分は、その分増えた光熱費や日用品の購入費にあてるなど、各予算で余った分だけを増加分に充当するようにすれば、トータルの支出を増やさずに済みますね。
なお、最初からあまり長い期間で管理しようとするとかえって混乱するので、年間予算を考えた上で、月割り、週割してまずは2週間から1ヶ月程度の期間から始めるといいかもしれません。
ちょっとした工夫で、家計の見直し、節約は可能です。思ったよりも長引いているコロナ禍ですが、自分とお金との付き合い方を振り返るきっかけにしてみてはいかがでしょうか?