コラムニストのトイアンナさんが、TBS火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』を毎週考察&展開予想するコラム。無一文、無職、宿なしの人生崖っぷちバツイチアラサー女子がつかむのは、愛か金かそれとも……?
※このコラムには『プロミス・シンデレラ』エピソード第4話までのネタバレが含まれます。
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どうして人はカチッとした服装に焦がれるのか。かつて、高級スーツを試着する伴侶を見ては、あまりのかっこよさにシビれました。人を美しく見せることにこだわり抜いた、究極の衣類だからでしょうか。
今週の『プロミス・シンデレラ』は、Twitterのコメントからして雰囲気が一変していました。なぜなら、メイン俳優たちの和服とスーツが一度に拝めた、おいしすぎる1時間だったからです!
早梅の受難は続く
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主人公・早梅(二階堂ふみ)は旅館で働く崖っぷちアラサー。第4話では、さらなる受難が降りかかります。
それは、初恋の男性・成吾(岩田剛典)との再会です。
「何が受難じゃ! ラッキーイベントじゃないか!」と、未視聴の方なら思うでしょう。しかし、成吾は老舗旅館の跡取り。成吾との男女関係を疑われた早梅は、同僚から執拗な嫌がらせにあってしまうのです。
……とはいえ、前回までは嫌がらせも「ちょっと、“◯◯ハラ”などと呼ぶまでには値しないんじゃない?」と思わせるソフトなもの。今週もそんなノリかと思いきや、ついに特大の受難をくらいます。
VIP客の予約情報をメモした紙を、誰かに握りつぶされてしまったのです。「ある。こういう嫌がらせ、ある」と、思わずドスのきいた声が出ちゃったよ。
そう、定番の職場の嫌がらせといえば、その人の業績を下げるもの。たとえその結果客の満足度を下げようが、知ったことではないのです。
早梅、あわやパワハラ顧客の犠牲に?
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そして、予定通りVIP客が登場。
またこのVIP客も厄介で「あなたはどう私を楽しませてくれるわけ?」「トークがだめなら、芸を披露しなさい」と、仲居にワガママ放題です。
ところで、このドラマの一風変わっているのは、主人公の早梅が協調性よりも正義感を優先する気質なこと。ぴえんと泣く乙女はそこにいません。堂々とパワハラ的言動を取る客の前に出ていき「お気が済むのならどんな無理難題でも伺います」と言い放ちます。
む、無茶しやがって……。お前、入社1カ月目だろ!? というこちらの気持ちも裏腹に、VIP客もさすがの応酬。「なら脱ぎなさい。今すぐ裸踊りするのよ」と、時代錯誤も甚だしい宴会芸を求めるのでした。
スーツを着る兄、和服をまとう弟
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さて、この事態にドラマのヒーロー2名こと、成吾と壱成は何をしていたのか?
まず、スーツをまとった兄の成吾は外出先から急遽帰宅することに。しかし、遠方から向かっているため、即座に助けに入れません。その時間差を制したのは、弟の壱成(眞栄田郷敦)でした。
もともと、旅館には寄りつきもしなかった壱成。しかし、この日はバシッと和服できめ、早梅を助けに……入ったところまでは王道のシンデレラストーリーですが、そうはいかないのが現代というもの。精神的に未熟なところが魅力(?)でもある壱成は、そのまま客にキレてしまいます。
第3話で黒幕感をプンプン漂わせていた菊乃(松井玲奈)も、助っ人に登場。成吾・壱成・菊乃のトリオで、ようやくVIP客も溜飲を下げたのでした。
そんなハラハラドキドキな展開とは裏腹に、視聴者には何よりもうれしいスーツと和服の「かっこいい男性の服装トップ2」を拝める結果となりました。よかった……世界は平和だ……。
子を捨てた? 壱成の母親
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そして、恋愛要素もさることながら、気になるのは今後の展開です。VIP客は常連らしく、前の女将、つまり「成吾と壱成の母親」について言及します。
その発言で、母親に「いらない。私はあなたなんかいらない」と言い放たれたつらい記憶が壱成の脳裏によみがえります。なぜ、壱成の母親は家を出ていったのでしょうか? このシーンだけを見ると、まるで壱成が捨てられた子のようです。
そして、壱成は「ああ。まだたった10年だよ。さっさと忘れたくてこの旅館にも近づかなかったのに」と激高したのです。
これまでは早梅と兄・成吾の過去が伏線となっていましたが、今後は弟・壱成と出て行った母親の過去が、キーポイントとなりそうです。