暑い季節に薄着になると気になる「二の腕のぶつぶつ」。長袖の季節には隠すことができるけれど、夏は暑くて長袖は着られず、ぶつぶつが見えてしまいがち……。二の腕のぶつぶつ、ざらざらの症状は俗語で「サメ肌」といわれています。「サメ肌」は二の腕だけではなく、肩、太もも、お尻などに出ることもあります。今回は「サメ肌」の原因と対策について解説します。
二の腕のぶつぶつ「サメ肌」の原因は?
二の腕のぶつぶつは、衣服のこすれや乾燥によっておこることもありますが、以下のような病気の場合もあります。
・毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)
毛穴にある毛包が角化(皮膚が分厚く硬くなった状態)する病気です。毛穴がぶつぶつした状態になります。
・尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)
全身の皮膚が乾燥して硬くなり、魚の「鱗」のようになる病気です。遺伝性があります。
・アトピー性皮膚炎
皮膚のバリア機能の異常によって乾燥、湿疹が慢性的に起こる病気です。
このうち、もっとも多いのは毛孔性苔癬です。毛孔性苔癬は皮膚疾患のひとつではありますが、10代の30~40%ほどの人に症状がみられるため、疾患というよりはよくある皮膚トラブルと考えることもできます。
二の腕以外に、肩や太もも、お尻などもできやすい箇所です。
多くの場合、小学生の頃に発症し、思春期にもっとも症状が強くなり、その後年齢とともに目立ちにくくなります。
自宅でできる、二の腕のぶつぶつ「サメ肌」ケア
「サメ肌」ケアで大切なのは、「保湿すること」、「刺激を与えないこと」です。そのため、次のようなケアをおすすめします。
・こまめに保湿をする
こまめに保湿をしましょう。とくに入浴後の保湿は効果的です。毛孔性苔癬のように角化している場合は、角質をやわらかくする作用のある尿素の入った保湿剤を使うのもよいでしょう。
ただし、ひび割れなどのキズがあると、尿素がしみることがあるため、注意が必要です。
・ごしごしこすらない
からだを洗うときにナイロンタオルなどでごしごしこすることは避けましょう。こすった刺激によって肌が乾燥しやすくなり、角化も進んでしまいます。洗うときは刺激の少ないタオルを使うか、手でなでる程度がよいでしょう。
・衣服のこすれを避ける
締め付けるようなきつめの衣服を着ると、こすれによる皮膚への刺激が強くなり、乾燥や角化が進行しやすくなります。二の腕などのサメ肌が気になる部分を締め付けない衣服を選びましょう。
症状がなかなかよくならない場合は、病院を受診することをおすすめします。
病院では、角化に対しては角質をやわらかくする塗り薬(尿素、サリチル酸を含む塗り薬など)が処方されることがあります。また、赤み、かゆみを伴っている場合はステロイドの塗り薬を使って治療をすることもあります。
体質から改善を目指すなら漢方薬がおすすめ
「根本改善で艶肌になりたい」そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は医薬品として、しみ、にきび、肌荒れなどにも効果が認められており、医療現場でも使われています。体の中から働きかけ、肌トラブルを起こさない体質づくりをサポートしてくれます。
肌ケアを継続するのは大変という方でも、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けられそうですよね。
さっそく始めてみたいという方のために、以下で皮膚の乾燥の症状に悩む方におすすめの漢方薬をご紹介します。
<皮膚の乾燥におすすめの漢方薬>
・当帰飲子(とうきいんし):皮膚の乾燥や、乾燥によるかゆみがある方。「血(けつ)」を補う生薬である「四物湯(しもつとう)」の生薬を基本にして、「気」を補う生薬、かゆみを止める生薬が配合されています。
・温清飲(うんせいいん):皮膚がカサカサして色つやが悪く、かゆみを伴う方。「血(けつ)」を補う生薬である「四物湯(しもつとう)」の生薬と、からだを冷やして熱をとり炎症を抑える「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」の生薬が配合されています。
ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、からだへのダメージを与える場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。