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年下にも年上にもモテる「王子様女子」って?[プロミス・シンデレラ考察]

コラムニストのトイアンナさんが、TBS火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』を毎週考察&展開予想するコラム。無一文、無職、宿なしの人生崖っぷちバツイチアラサー女子がつかむのは、愛か金かそれとも……?

※このコラムには『プロミス・シンデレラ』エピソード第6話までのネタバレが含まれます。

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(c)TBS

「シンデレラ」という言葉がドラマの名前についたなら、どの視聴者も思ったことでしょう。シンデレラとは女の子のことで、王子様が迎えに来る物語なのだと。

期待を裏切りごめんなさい。『プロミス・シンデレラ』は2021年の物語。そこにあるのは新しいシンデレラの形だったと分かるのが、第6話の展開でした。

突然迎えに来た元夫

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いきなり「他に大事にしたい人ができた」と離婚を切り出されたアラサー・早梅(二階堂ふみ)は、すでに元夫の正弘(井之脇海)とはスッパリ縁切りしたつもり……だった。ところが、勤め先である旅館にその元夫が突撃してくるのです。

うわあ……嫌すぎるわ。働いたことのある人間なら、誰もが悪夢に思うことでしょう。揉めた相手が職場へ突進してくるなんて、職場への迷惑を考えただけで冷や汗が止まらない。

しかも、正弘は「友達からやり直せないか」と早梅へ迫ります。いやいや、あなた最近浮気して、離婚したばっかりでしょ? 早梅は竹を割ったようにバッサリ元夫を切り捨てます。

「正弘。私たちこれで本当に終わりにしよう。私の目の前に二度と現れないで。でも、おかげで大事なことに気づけたから、感謝してる」

それでも詰め寄る正弘から早梅を救ってくれたのは、旅館の副社長にして初恋の相手・成吾(岩田剛典)でした。

大人の余裕がなく、家を追い出される壱成

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その頃、成吾の弟であり、早梅と同居していた壱成(眞栄田郷敦)は実家を追い出されます。早梅を家から叩き出した上、執事の吉寅へ暴力を振るったことで祖母に叱られたのです。勢いで家を飛び出したとはいえ、一文無しの壱成。頼れる友人に電話するも、次々と裏切られます。

自分と付き合う友人が、金目当てだったことに改めて気づかされる瞬間でした。けれど、その原因が自分の横暴な性格にあることも重々承知です。

そして、クラスのいじめられっ子から、「何がそんなに気に食わないの? 片岡君はそんなに恵まれているのに」と質問されて、壱成は「俺が一番気に食わねえのは、俺だよ」と漏らす。なんという、客観視する能力。

大人にだって、自らの横暴な振る舞いのせいで孤立したくせに「なんで誰も俺を愛してくれないんだ!」と叫ぶ人なんて、いくらでもいるのに……。壱成は下手な大人より自分を客観視でき、成熟している事実がここでうかがえるのです。

ではなぜ、彼は普段から友達へ横暴な振る舞いをしたのか。その答えは、早梅との再会で分かります。

母親に捨てられたシンデレラ

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さまよう壱成は、いつしかホームレス寸前の早梅と出会った公園へ。そこには、お金をたかってきた友人らがいました。

一文無しの自分を無下に扱う友人を冷たくあしらう壱成へ、「顔と金以外は並以下のカスが。調子乗ってんじゃねえぞ。その金だって、自分で稼いでるわけじゃねえじゃん」と、ストレートすぎる一言が投げかけられます。

さらに友人から殴られようとする壱成を救ってくれたのは……ちょうど壱成失踪の話を聞いて、探しに来た早梅でした。

壱成の友人から見れば、壱成の家へ居候をしていた早梅は異物でしかありません。

「あんたのせいで壱成が付き合い悪くなっちまったんだからさあ、こいつの前から消えてくれねえ?」
「高校生にかまけてないで婚活しなよ、おばさん」

と、思わず目をつむりたくなる言葉を投げかける壱成の友人たち。それに対して、早梅は大人の対応を見せます。

「そっかあ、あんたたち、こいつのことが好きなんだね。ほんとにお金だけが目当てならけんかにならないでしょ」

それを聞いて唖然とする友人らを置いて、早梅は壱成を救出。そのまま叩き出された家へと帰ります。

『プロミス・シンデレラ』は、老舗旅館の跡取りである成吾と壱成が、お姫様となる早梅を救う物語と考えるのが普通かもしれません。しかし、実母に追い詰められた成吾と壱成を、王子様の早梅が救い出してくれる物語だと捉えることも可能ですね。もしかすると、シンデレラは壱成と成吾だったのかも……?

そして、過去のつらい経験を吐露しながら、早梅をハグしてしまう壱成。それも、恋人を抱きしめるというよりは、母親にすがるような必死の手でした。

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