isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
星乃せいこさんによる「毎月の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
なんでもないことを楽しもう
今週のおひつじ座は、「なんとかやっていく」術を磨いていくような星回り。
新しい生活様式では、労働と余暇の境界線はますます曖昧になり、そうした状況に困惑したり疲弊したりする人もいる一方で、両者のあわいで生きる術を編み出し、そこから思いがけない効用を引き出せている人も少なくないのではないでしょうか。
つまり、私たちは「忙しすぎる」ことに文句をいいがちな一方で、突然できた暇に耐えられず、それを実にくだらない消費行動に費やして無駄にしてしまうのであり、今週のおひつじ座もまた、そうした“暇”に対してどのような戦術を用意していけるかということがテーマになってくるのだと言えます。
例えば、本やテキストを読むことは言葉なき沈黙の生産につながりますし、住むことは空間のゲームに参加して、与えられた場を生きるに値するものに変えうる可能性を切り開いていくことに他ならず、会話とは「決まり文句」をあやつったり、ふりかかってくる色々な出来事をしのげるものに変えて楽しんだりする術のひとつなのです。あなたもまた、どうしたら暇を享受して楽しむことができるかという問題に意識的に取り組んでみるといいでしょう。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
季節外れの返り花
今週のおうし座は、力強い「うた」が胸中からあふれ出していくような星回り。
それはまるで、「熱燗や国滅ぶとき歌おこる」(藤井元基)という句のよう。「国滅ぶ」とは尋常ではないですが、そもそも日本文学の源流にあたる万葉集の根底にあったのは、かつて都市文明があったが、それはもう壊れてしまったという「喪失の感覚」であり、そこで描かれていたのは「ポスト文明」をめぐるさまざまな心象風景でした。
現代の感覚では奈良・京都というと「悠久の都」というイメージがありますが、古代の日本は遷都が頻繁に行われ、万葉集の中心人物のひとりである柿本人麻呂の生きた時代も、次々に作られては捨てられる都に敗者の怨念が宿ることが恐れられていたという背景があり、詩歌などの「文学」はそれを慰め、鎮魂するために編み出されていった訳です。
その意味で、コロナ禍を経て明らかに人流が減ってしまった繁華街や飲食店などの光景もまた、「ポスト文明」の景であり、今こそ時代に翻弄され、疲弊し、怨念を抱いてしまった人びとの魂を慰めるための「うた」をおこす、そのときなのだと言えるかもしれません。あなたもまた、自身がどんな滅びのさなかにあるのかということに、改めて気付いていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
欲望をめぐってジタバタする
今週のふたご座は、両性からともに失われてしまった欲望の行方を探して。
悪女の歴史をたどると、中世までは「醜い女性」が悪女だったそう。つまり、社会が決めた美の基準が悪女をつくった訳ですが、逆にその反対に位置づけられる美女とは、美人であることに加え、「純潔で、権力をほしがらず、従順である」女性のことを指しました。
これは女性の主体性が家父長制のもとで、いかに社会文化的に否定され、貶められてきたかということをよく表していますが、現代に息を吹き返したフェミニズムはこうした女性の欲望を回復する力を再び貯えつつあります。
しかし、それは「女性の地位から男性の地位に上がろうとしている」といった単純なものではなく、追放された欲望をいかに取り戻して女性蔑視という痛みから立ち上がり、「女性」という使い古されたカテゴリーの解消に向かうのでなければ、「女性」→「性悪」→「悪女」という根強い連鎖は本当の意味で終わりが来ないのでは。あなたもまた、男と女のあいだに横たわる暗い河の真ん中に分け入っていくか、すでに自分が深みにはまっていることに気付いていくことがテーマとなっていきそうです。