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[11/22〜11/28の運勢]11月4週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のかに座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

風のように吹き抜けていく

今週のかに座は、「無常」ということを語らずして語っていくような星回り。

「追ひぬきし人のふりむく枯野かな」(山尾玉藻)では、枯野をいく私を、追い越し、振り返った人がいたという情景が詠まれています。それはどんな顔だったのでしょうか。もし赤の他人であれば、わざわざ振り返ったりしなかったはずです。それに、枯野にそこまでの人通りがあるとも思えません。そう考えるとおそらく、振り返ったその顔とは、私自身に他ならなかったのではないでしょうか。

つげ義春の漫画に出てきそうな、いかにもうらぶれた枯野を行く私は、きっとどこかに戸惑いを宿した、自信のない貌をしているか、すべてを捨て去ってしまった者特有の、あっさりとした淡白な表情を浮かべていたに違いありません。

そのような私とは、ただの抜け殻にすぎず、そこでは時だけが移ろっていくばかり。あなたもまた、そうしたある種の「脱皮」を遂げていくことになるかも知れません。

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今週のしし座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

わが身に悪を引き受ける

今週のしし座は、「こうむる悪」ということを改めて身近に感じていくような星回り。

哲学者の藤田正勝は、近代日本では個人の内面に分け入っていって、自分の意思に関わらず悪を犯さざるを得ない“宿業”を見据えていこうとする「おかす悪」の問題が盛んに取り上げられてきたのに対して、社会の中に存在する悪や、弱者たちが経験する悪などの「こうむる悪」という問題があまり積極的に考えられてこなかったのだと指摘しています。

一方で、ユダヤ人の哲学者レヴィナスは、攻撃に対して力なく横たわる人々のまなざしの中にある抵抗が、暴力をもつ側に殺害への誘惑を引き起こすのだ、というところに考察の基礎をおいて、現代における「こうむる悪」の問題と対峙してきました。

そうした力なく横たわる者の持つまなざしは、レヴィナスによれば二重性をはらんだ弱者のまなざしであり、攻撃するものは殺したいと思いつつも、「高さの次元」ゆえにそれを殺すことができない。だからこそ弱者のまなざしに立脚することではじめて、私たちは社会において倫理的な関係を構築していく可能性を切り開いていくことができるのではないか、と考えた訳です。あなたも、他ならぬ自分自身こそ、そうした悪の対象になりえるのだという認識から再出発していくといいでしょう。

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今週のおとめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

甘さの価値を認めていくこと

今週のおとめ座は、手持ちの武器を再評価していくような星回り。

「風邪床にぬくもりにける指輪かな」(中村汀女)は、風邪で寝込んでいる主婦の生活を背景に読み込むこともできますが、もっと大事なことを端的に詠んでいるようにも思えます。それは甘さということの価値。日本社会ではことに甘さとか感傷的であることを、どこか若さや未熟さの証しとして嫌うところがありますが、甘さも浅いのでなければ必ずしも排撃すべきではないのだと、掲句はあえて多くを語らずして伝えているのではないでしょうか。

体温と一体となった指輪を「ぬくもりにける」と詠んでみせた作者の胸の内にあるのは、おそらく指輪に込めているほのかな愛情であり、それを確かに感じさせてくれる叙情性は、単に「甘さ」の一言では片づけられない価値があります。

それは嫌味に流れない程度の適度の甘ったるさに、気の利いた観察眼と、言葉の巧みな駆使があわさった作者ならではの個性であり、それら三つが揃っていたからこそ、万人に愛吟されてきたのでしょう。あなたもまた、自身もまたすでにそうした条件をすっかり揃えていることに気付いていくことができるかも知れません。

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今週のてんびん座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

琴線に触れる音を待つ

今週のてんびん座は、ただただ感性的な吐息を漏らしていくような星回り。

空から降る雪が何も語ることはないように、話せないことというのは自然の本質であり、その意味で自然とは嘆く存在と言えます。そしてその嘆きは決して十分に分節化されないまま、いつまでも続く無力な言語表現であり、それは感性的な吐息でしかないのです。

ベンヤミンはそんな自然を「伝達可能性(communicability)」を奪われた、悲しい世界とみなしました。日常的な意味での挨拶も通じず、いくら語りかけても何ら言葉らしい言葉の返ってこない、一切の伝達が遮断された孤立した空間。

なぜ雪は降り続けるのか、と問うても何も返答はないが、しかしそうしてすべてを白く塗り潰してしまうのは、自然が悲しんでいるからだ、と受け取る感覚は人間にとっても大事なことのように思います。あなたもまた、言葉を語りえない悲しみと一体化していく時間を意識的に作ってみるといいでしょう。

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